サンフレッチェ広島のフロントは昨年くらいからいろいろやってくれますねー。精一杯やっていただいているのでしょうが、正直、クラブ経営のプロフェッショナルがやっていらっしゃるのでしょうか?疑問です。
サポから毟りまくる焼畑マーケティング、バックスタンドの値上げを伴った指定席化など、ちょっと考えればダメなことはすぐわかるのに何故やるんだろう、なんで帰りの横川行きバスは、多人数が乗れずに残っているのに台数が足りなくなるんだろう、といった疑問はたくさんあるのですが、ここ数日話題になっている今回のカープとのコラボユニの件について、考察してみたいと思います。
「カープの力を借りて少しでもカープファンのお客さんがサンフレッチェのゲームを見てくれりゃあええと思うで」「カープとコラボできて単純に嬉しい」など、いろいろ意見があるのは承知の上で。
今回のカープとのコラボユニは、ダメです。これ致命的です。
カープとのコラボがダメなんじゃないです。コラボユニが赤なのが、ダメなのです。
ユニフォームは戦士の鎧である。そして鎧の色は、クラブの旗印・アイデンティティ・命
まず、世界的に見て、もちろん日本のJリーグも、ユニフォームのデザインが大人の都合で毎年変わっていきます(これもどうかとは思いますが)。昨年のサンフレッチェ広島の1stユニは、ずいぶんデザインが変わりましたよね。デザインは毎年、メジャーチェンジしてしまいます。
だからこそ。色が変わってはいけないのです。
もちろんそれだけの理由ではありません。
ユニフォームは、クラブの最前線で戦う戦士の鎧。であれば、色は、戦う旗印。アイデンティティなのです。命なのです。
この辺りが野球とは違うんですよ。
つまりヴァイオレットは、サンフレッチェ広島の命なのです。
だから、コラボと言えども、紫を外す、況や赤にする施策は200%NGなのです。(もちろん、例のアウェイユニも絶対ダメなのです)
広島における赤とJリーグに於ける赤の価値の違いについて
さて、赤がダメなのかを論証していきましょう。
確かに、広島(ここでは、カープが人気がある広島エリアという意味で広島としています)に於いては、赤といえばカープです。だから、「カープの力を借りて少しでもカープファンのお客さんがサンフレッチェのゲームを見てくれりゃあええと思うで」という意見の方もいらっしゃるわけです。フロントも多分このような考えなのでしょう。
でもね。それは広島だけでの話です。広島だけならその感覚は通用しますが、Jリーグ(ここでは、Jリーグの価値観が通用する世界という意味で使っています)では別の意味になります。
赤は浦和レッドダイヤモンズ。略してレッズです。鹿島もそう、名古屋もそう。彼らは、彼らの誇りとして、命として、その色の鎧を纏うのです。
Jリーグにおいて、色はそのクラブの命です。
サンフレッチェ広島が赤を着ることを想像してみてください。
Jリーグの価値観に於いては、以下のような感覚が湧き起こります。
「広島は、自分たちの命である紫を捨てたのか?」
「広島は、自分たちの紫を粗末に扱っていいのか?」
「広島は、紫を粗末にして赤を着るなんて、自分たちの誇りを捨てたのか?」
「広島は、レッズや鹿島、名古屋のことをディスっているのか?」
「広島は、レッズや鹿島、名古屋の色のユニを着て、恥ずかしくないのか?」
「広島は、レッズや鹿島、名古屋に失礼だと思わないのか?」
ざっとこんな感じでしょうか。
広島に於いてはカープの赤でも、Jリーグにおいては、他のクラブの色なのです。
で、サンフレッチェ広島は、広島のクラブではありますが、Jリーグのクラブです。Jリーグでも有力なクラブ。だから、広島に於ける価値観とJリーグに於ける価値観がバッティングする場合、Jリーグの価値観を優先するべきなのです(ここ大事)。
敢えて刺激的なことを言わせていただくと、広島の中の蛙、Jリーグの価値観を知らず、ということなのです。
カープファンの方でサンフレッチェにそれほど興味のない方は、赤と紫を交換するコラボのどこがいけないのかよくわからない方も多いのですが。
もし。サンフレッチェ広島のユニが、黒と黄色の縦縞だったらどうですか?白地にオレンジ縁取りの黒い文字だったらいかがですか?
広島同士のコラボだからといって、オッケー出します?
確かに人気球団のカープとコラボするのは大変なことでしょう。新社長の手腕なのかもしれません。でも、ダメですよ。いくら大変でも発想が安易です。上記のことがわかっていない人がフロンに多数いるのでしょうね。はっきり言いましょう。フロントの劣化、激しいです。
ブランドとプロモーションの鬩ぎ合い。ブランドが毀損されると、取り戻すには時間がかかる
さて、これまで論じたのは、価値観の問題です。紫の、赤の価値。
もう一つ、商売、という観点で論考していきましょう。
これはブランドとプロモーションの問題なのです。
と書いたところで、随分文字数を使って長い文章になってしまったので、こちらは次の記事で。
続きます。