3月4日、マレーシアで喫した1-3の敗戦。あの悔しさを抱えたまま、5日が経ちました。
3月11日(水)19:00、サンフレッチェ広島はホームのエディオンピースウイング広島に、ジョホール・ダルル・タクジムを迎え入れます。2試合合計スコアで上回ったチームが準々決勝へ進む。広島が逆転突破するために必要なのは、最低でも3点差以上の勝利。「奇跡」なんて言葉は使いたくない。でも、この試合には確かに逆転できるだけの根拠があります。
第1戦を振り返る――あの敗戦の原因は「実力差」じゃない
まず、第1戦(ジョホール 3-1 広島)を冷静に分析しておきましょう。
もちろん、ジョホールが強かったのは事実です。東南アジアを代表するクラブとして、個の力も組織力も本物でした。ただ、「強かったから負けた」だけで片付けるのは、少し違います。あの試合には、特殊な条件が重なりすぎていた。
条件1:中4日の強行日程+長距離アウェー移動
2月27日の京都サンガ戦から中4日で、マレーシア・ジョホールバルへ。移動日を含めれば、選手たちのコンディションは万全とはほど遠かった。
条件2:気温29℃・湿度71%という環境
日本の初春とはまるで別世界の気候。前半から選手たちの動きが重く見えたのは、気温・湿度のせいも大きかったはずです。
条件3:キム・ジュソンの前半退場
26分、すでに1枚もらっていたキム・ジュソンが2枚目のイエローで退場。ここから75分超を10人で戦うことになった。
この3つが重なれば、どんな強豪でも苦しい。後半3失点は確かに痛かったですが、「今の広島はジョホールに勝てない」という証明ではありません。10人で前半をスコアレスで凌いだ粘りを見れば、11人の広島が万全のホームで戦えばどうなるか、自ずと分かります。
突破の条件――「3点差以上」をどう解釈するか
ACLエリートはアウェーゴールルールが廃止されており、2試合合計スコアの多い方が勝ち上がりです。同点の場合は延長戦、それでも決着がつかなければPK戦に突入します。
第1戦合計:広島1 ― 3ジョホール(2点ビハインド)
広島が突破するために必要なスコアは次のとおりです。
| 第2戦スコア | 2試合合計 | 結果 |
|---|---|---|
| 3-0 | 4-3(広島) | 広島突破 |
| 4-0 | 5-3(広島) | 広島突破 |
| 4-1 | 5-4(広島) | 広島突破 |
| 2-0 | 3-3(同点) | 延長・PK |
| 3-1 | 4-4(同点) | 延長・PK |
| 1-0 | 2-3(ジョホール) | 敗退 |
つまり、「3点差以上で勝てば突破確定」「2点差勝利でも延長戦のチャンスあり」です。2-0でも終わりじゃない。3-0を狙いながら、まず先制点を奪う――というシナリオが現実的です。
ホームの優位性――今度は広島が勝つ番
第1戦でジョホールが持っていたアドバンテージを思い出してください。ホームの大声援、慣れ親しんだ芝、35,000人収容の大スタジアムの雰囲気。対して広島は灼熱のアウェーで、移動疲れを抱えて戦いました。
今度は逆です。
ジョホールはマレーシアから長距離移動をこなして広島に乗り込んできます。3月の広島の気候はジョホールの選手たちにとって馴染みがない。そして何より、今度は広島がエディオンピースウイングでホームサポーターの後押しを受けながら戦えます。
コンディション面でのアドバンテージは、明らかに広島の側にあります。
「実績がある」――鈴木章斗が証明した「ジョホール攻略法」
最も重要な事実を一つ。
今シーズン、広島はすでにジョホールにホームで勝っています。
2月10日のACLエリートリーグステージ第7節。ジョホールに先制を許した広島でしたが、新加入の鈴木章斗が2ゴールを叩き込んで2-1の逆転勝利。この試合でACLエリートの決勝トーナメント進出が確定しました。
もっとも、この試合ではジョホールが退場者を出して数的不利になったというアドバンテージがあったことも事実です。11人対11人での力関係をそのまま「広島優位」とは言い切れません。ただそれでも、「先制されながら逆転できる」という事実と自信は、間違いなくチームの財産として残っています。
つまり、「ジョホールに勝てない」のではなく、「ジョホールに勝つ方法を広島は知っている」のです。ドラマチックな展開を演じる力が、このチームにはあります。
広島キーマン分析
鈴木章斗(FW)
今シーズンのジョホール戦で2ゴールを叩き込んだ男。ジョホールのDF陣に対する相性の良さは証明済みです。湘南ベルマーレから加入し、ACLエリートでも即座に結果を出した大一番に強いストライカー。第2戦でも最大の得点源になるはずです。
加藤陸次樹(FW)
広島の1トップを務める機会も多く、ポストプレーと裏への抜け出しを使い分けられるFW。鈴木章斗とのコンビで前線に厚みをもたらせます。おそらく、後半から出場し、得点を決めてくれると思います。
川辺駿(MF)
ガウル体制の広島で中盤の核を担う存在。ボール奪取から縦への展開まで、攻守のスイッチを入れる役割を担います。高い位置でのプレスと素早い判断が光る。
松本泰志(MF)
浦和からの復帰で古巣凱旋。サンフレッチェのサッカーを熟知しており、中盤でゲームのテンポを作る。ガウル体制への適応力も高い。
ジャーメイン良(FW/シャドー)
シャドーの一角としてプレーが予想される。抜け出しのスピードとゴール前での冷静さを兼ね備えており、ジョホールの守備ラインの裏をつく動きで違いをもたらせる存在です。
ジョホールの注意すべき選手
マルコス・ギリェルメ(FW)
第1戦でジョホールの3点目を決めたブラジル人ストライカー。リーグステージでも先制点を挙げており、今シーズン全体を通じてジョホールの攻撃の軸。アウェーゲームでも一発の怖さがあります。
ネネ(MF)
第1戦ではオウンゴールを誘発(広島にとって唯一の得点)したマレーシア人MF。中盤を支配するジョホールの核であり、守備でも攻撃でもキーマンです。
アヘル・アケチェ(FW)
第1戦の先制点(52分)を奪った選手。スーダン出身の若いアタッカーで、スピードと強さを兼ね備えています。途中出場でも試合を変える力があります。
ベルクソン(FW)
第1戦で2点目(63分)を決めた選手。途中出場から試合の流れを変えてしまう存在感があります。ジョホールの豊富なFW層の一角。
予想スタメン
広島はキム・ジュソンが退場による出場停止。3バックの一角を失いますが、経験ある選手が埋めます。
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| GK | 大迫敬介 |
| DF | 塩谷司、荒木隼人、佐々木翔 |
| WB | 菅大輝、東俊希 |
| MF | 川辺駿、松本泰志 |
| シャドー | ジャーメイン良、小原基樹 |
| FW | 鈴木章斗 |
ジョホールは第1戦からの連戦かつ長距離移動があるため、ターンオーバーの可能性もありますが、主力を維持してくる可能性が高いです。
試合展望――序盤の先制点が全てを変える
ジョホールは第1戦でリードしているため、アウェーで守りを固めてカウンター狙いの戦術を取る可能性が高い。引いて守られると3点を取るのが難しくなります。だからこそ、序盤の先制点が全てを左右します。
ジョホールが守備的になれば、広島はボールを持って攻める時間が長くなる。エディオンピースウイングのサポーターが後押しすれば、相手のパワーを削ることができる。ゴールが決まったとき、このスタジアムがどれほど大きな力を生み出すか――それは広島のサポーターが一番よく知っているはずです。
展開としては、前半のうちに先制し、後半早い時間帯に追加点で「2-0」の状況を作る。そこから3点目を狙いながら延長・PKも視野に入れる――というのが最も現実的なシナリオです。
3-0での突破が理想。でも2-0でも終わりじゃない。まず1点、次の1点を着実に重ねていく。広島のサッカーはそれができるチームです。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試合 | ACLエリート ラウンド16 第2戦 |
| 日時 | 2026年3月11日(水)19:00キックオフ |
| 会場 | エディオンピースウイング広島 |
| 放送・配信 | DAZN |
| 突破条件 | 3点差以上で勝利(2点差では延長戦へ) |
| 第1戦結果 | ジョホール 3-1 広島 |
この試合は、広島が「本物の強さ」を見せる舞台です。
移動疲れなし、ホームの大声援、キム・ジュソンの出場停止・前田直輝の負傷離脱というアクシデントはあるものの、それ以外の選手は揃った状態で臨めます。そして、今シーズンすでにジョホールに逆転勝利した実績。ガウル監督が第1戦後に語った言葉を覚えていますか?「1ゴールを決められたことをうれしく思う。次の試合への希望につながる」――それは、諦めていない監督の言葉でした。
3月11日、19:00。紫の風をエディオンピースウイングに吹かせよう。
We are SANFRECCE!逆転できる。ここからだ。
