3連敗。数字だけを見れば、厳しい現実です。しかし3月30日のトレーニング前、バルトシュ・ガウル監督は全選手・スタッフを集め、約20分間にわたって熱のこもった言葉を届けました。その内容は、後ろを向くものではありませんでした。「自分たちのやってきたことは、間違っていない」——指揮官の言葉には、迷いのない確信がありました。
この記事では、ガウル監督のメッセージを軸に、現在のサンフレッチェ広島が何を目指し、どこへ向かおうとしているのかを整理します。

3連敗の「中身」を読み解く
神戸・清水・名古屋戦で何が起きたか
第7節・名古屋戦から始まった3連敗。数字だけ並べると重苦しいですが、それぞれの試合の内容を振り返ると、単純な「実力負け」とは言い切れない側面があります。
名古屋戦(1-2)では後半4バックに変更してペースを握り直すも、終盤に決勝点を奪われました。清水戦(1-3)では広島のゴールがVARでオフサイド判定を受け取り消し。もしあの得点が認められていれば、試合の流れは大きく変わっていたはずです。
そして神戸戦(1-2)。木下康介が49分に先制弾を奪い、61分にはVARでオフサイド判定を受けた追加点の取り消しがあり、84分には大内一生とジエゴの交錯でPKを献上。SNSや各メディアでも「疑惑のPK」として大きな議論を呼んだ場面です。その後アディショナルタイムに大迫勇也に逆転ゴールを許し、試合終了。
ガウル監督はこう話しています。「神戸戦を改めて振り返っても、84分間はいいプレーができていた。清水戦にしても、ゴールが認められていれば全然違う結果になっていたかもしれない。流れがこちらに向いていない事象が、実際に起きてしまった」と。
クラブは質問状を提出、しかし選手たちは前を見る
神戸戦の一連の判定については、クラブがJリーグのルールに基づいて正式に質問状を提出しました。それは組織としての当然の対応です。
一方、選手たちはすでに切り替えています。トルガイ・アルスランはこう語りました。「審判のジャッジについては、言っても仕方のないこと。矢印は、自分たちがするべきことに向けるしかない。神戸のような経験豊富なチームに敗れたことで、自分たちは学ぶ必要がある」と。
不満をエネルギーに変えて、前に進む。それがサンフレッチェ広島の文化です。
ガウル監督の20分スピーチ——3連敗の翌週、指揮官は何を語ったか
「自分たちのやってきたことは、間違っていない」
3月30日のトレーニング前、ガウル監督は全選手・スタッフを前に約20分間、言葉を発し続けました。
内容の核心は「自分たちへの信頼」です。「ここまで自分たちが積み上げてきたものは正しい。もっといいプレーができるはずだし、そのためには今まで取り組んできたことをしっかりと出していくだけだ」——そういう趣旨のメッセージが届けられました。
3連敗の後に監督が選手を集めると聞けば、「大幅な戦術変更」や「厳しい引き締め」を想像するかもしれません。でもガウル監督のアプローチは違いました。「お前たちは正しいことをやっている」と、まず選手たちの取り組みを肯定することから始めたのです。
「リスクをとらない簡単なサッカーはしない」
スピーチで特に印象的だったのは、方向性の明確さです。「自分たちがやろうとしていることは、決して簡単ではない。厳しく、難しい道を歩いていることは確かだ。すべてにおいてすぐに結果が出るものではないし、自分たちの道を貫くことも楽ではない。でも、リスクをとらない簡単なサッカーをするのではなく、自分たちが信じることをやり続けていく。それが自分にとってのチャレンジだ」
これは、3連敗という結果の前で「戦い方を変える」ことを拒否する宣言でもあります。
ガウル監督が3連敗の原因として認識していたのは「スタイルの崩れ」でした。「名古屋・清水・神戸と、相手は長いボールを広島の陣内に打ち込み、それを拾って攻撃する形を選択してきた。そこに自分たちも付き合いすぎた。それは自分たちのやり方じゃない」——原因を明確にした上で、答えも明示したのです。
スピーチの後のトレーニングで示した「答え」
口で言うだけでなく、行動で示す。ガウル監督がスピーチの後に組んだトレーニングメニューは、自分たちでボールを主体的に保持し、グラウンダーでつないでいくことを主目的としたものでした。
言葉とトレーニングが完全に一致している。これは選手たちへの明確なメッセージです。「4月5日の福岡戦では、改めて自分たちのサッカーを見せる」という決意表明です。
チームの現状——ポジティブな動向も増えてきた
越道草太がチーム練習に部分合流
ここ数週間、別メニューが続いていた越道草太が、この日のトレーニングで部分的にチーム練習に参加しました。完全合流にはまだ時間がかかるとしても、チームにとって明るいニュースです。攻守に献身的なプレーでガウル監督のスタイルに欠かせない存在だけに、早期の完全復帰が待たれます。
大迫敬介はA代表から帰還予定
神戸戦でA代表召集により不在だった守護神・大迫敬介も、次節には戻ってくる見込みです。大内一生が神戸戦で奮闘しましたが、大迫の安定感はチームの守備に欠かせないもの。正GKが戻ることで、守備の安心感も増します。
東俊希・前田直輝もコンディション回復途上
東俊希と前田直輝もまだ万全ではありませんが、コンディション回復の途上にあります。チームが本来のパフォーマンスを発揮するためには、こうした選手たちが本来の輝きを取り戻すことが不可欠です。
今週は試合間隔が長い。ガウル監督も「今季初めて、金曜日に試合をして翌週の日曜日に次の試合という週が来た。この期間を最大限に活かして、もう一度自分たちがやるべきことにフォーカスしたい」と話しています。
ファンサービスデーに見た「チームの絆」
3月30日はファンサービスデー。抽選で選ばれたサポーターが練習を見学し、選手たちと交流する機会が設けられました。
3連敗直後という厳しい状況の中で、選手たちはサポーターと笑顔で時間を共有しました。こういう時に、スタジアムへ足を運び、チームを応援し続けてくれる人々がいる——その事実が選手たちの心に温かいものをもたらします。チームとサポーターが一緒に苦しい時期を乗り越えていく。それが長期的な強さを育むのだと、改めて感じます。
私たちにできること——ホーム4連戦を一緒に戦おう
4月はエディオンピースウイング広島でのホームゲームが4試合続きます。サポーターにとって、これ以上ない「背中を押せる機会」です。
| 日付 | 対戦相手 | キックオフ |
|---|---|---|
| 4月5日(日) | vs アビスパ福岡 | 14:00 |
| 4月11日(土) | vs 清水エスパルス | 14:00 |
| 4月18日(土) | vs V・ファーレン長崎 | 14:00 |
| 4月25日(土) | vs セレッソ大阪 | 16:00 |
スタジアムに行けない方は、DAZNで観ながらSNSで声を送ることもできます。来られる方はぜひスタンドを紫に染めて、選手たちの「潮目が変わる瞬間」を一緒に作り出しましょう。
ガウル監督が選手たちに届けたメッセージは、そのままサポーターへのメッセージでもあると思います。「難しい道を歩いていることは確かだ。でも、自分たちが信じたことをやっていく」——その覚悟に応えるのは、私たちの声援です。
まとめ
3連敗という事実は重い。でも、ガウル監督が3月30日のトレーニング前に20分間かけて選手たちに届けたメッセージは、揺らぎのないものでした。
「自分たちのやってきたことは、間違っていない。リスクを取って、自分たちが信じるサッカーをやり続ける」
森保体制で3度のJ1優勝(2012・2013・2015年)を経験し、スキッベ体制でもルヴァンカップ制覇を果たしてきたサンフレッチェ広島が、新しい哲学のもとで再び頂点を目指す過程には、必ず苦しい時期があります。今がその時なのかもしれません。
でも、思い出してください。広島というクラブはこれまで何度も、「それでも前を向く」ということをピッチで証明してきたチームです。越道草太の練習復帰、大迫敬介の帰還、東俊希と前田直輝の回復——少しずつ、パズルのピースが揃いつつあります。
4月のホーム4連戦。スタジアムで、画面の前で、一緒に信じましょう。紫の魂は、まだ燃え続けています。
参考: 中野和也「サンフレッチェ情熱記録」シグマクラブ(2026年3月30日)
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ホーム4連戦、スタジアムに行けない方はDAZNで
エディオンピースウイング広島に足を運べない方は、ぜひDAZNで一緒に戦いましょう。全試合ライブ配信はもちろん、見逃し配信にも対応しているので、仕事や用事が重なっても後から振り返ることができます。
