今夜21:15(日本時間)、サンフレッチェ広島はACLエリート2025/26ラウンド16 第1戦でジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と激突します。「マレーシアのクラブでしょ?」と侮るなかれ。JDTはアジアの舞台で確実に力をつけている強豪です。リーグステージでは神戸を破り、2シーズン連続でベスト16に進出してきました。この記事では、広島が倒すべき相手・ジョホールの正体を徹底的に解剖していきます。

ジョホール・ダルル・タクジムとはどんなクラブ?
ジョホール・ダルル・タクジムFC(通称JDT)は、マレーシア南部ジョホール州のジョホールバルをホームタウンとするクラブです。最大の特徴は、ジョホール州の王族がオーナーを務めていること。国内リーグの規模をはるかに超えた資金力で補強を行い、マレーシア・スーパーリーグ11連覇という圧倒的な実績を誇ります。
JDTが目指しているのは国内リーグの制覇ではなく、その先にあるアジア制覇なんですよね。潤沢な予算で質の高い外国人選手を獲得し、ACLの舞台でも着実に結果を残してきています。日本のクラブにとって、東南アジア勢の中で最も手強い相手と言っても過言ではありません。
ACLエリート リーグステージの成績
今季のACLエリート リーグステージにおけるJDTの成績を振り返りましょう。
| 節 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 第1節 | ブリーラム・ユナイテッド(A) | ●1-2 |
| 第2節 | 町田ゼルビア(H) | △0-0 |
| 第3節 | 成都蓉城(A) | △1-1 |
| 第4節 | 上海申花(H) | ○3-1 |
| 第5節 | メルボルン・シティ(A) | ●0-2 |
| 第6節 | 蔚山HD(H) | ○2-1 |
| 第7節 | サンフレッチェ広島(H) | ●1-2 |
| 第8節 | ヴィッセル神戸(H) | ○1-0 |
最終的に東地区7位でノックアウトステージ進出を決めました。ホームでの戦績が注目で、上海申花に3-1、蔚山HDに2-1、そして神戸に1-0と、ホームでは格上相手にもしっかり勝ち切る力を持っています。
一方、アウェイではブリーラムに敗れ、メルボルンにも完敗。ホームとアウェイで戦い方に明確な差があるのが特徴的です。今夜の第1戦はジョホールのホームで行われるだけに、油断は禁物ですよ。
監督:シスコ・ムニョス
JDTを率いるのはスペイン人指揮官シスコ・ムニョス。スペインの育成年代での指導経験が豊富で、ポゼッション志向のサッカーをベースにしながらも、ACLではカウンター攻撃を効果的に使い分ける柔軟さを見せています。神戸戦でもボールを持たせてからの鋭い速攻で決勝点を奪っており、広島としては相手にボールを渡す時間帯の守備が重要になりそうです。
要注意選手5人
マルコス・ギリェルメ(FW/ブラジル)
広島サポーターにとって最も因縁深い選手です。元FC東京・V・ファーレン長崎でプレーした経歴を持ち、日本サッカーを熟知しています。2月10日のリーグステージ・広島戦では開始わずか3分で先制ゴールを叩き込み、2月17日の神戸戦でも73分に決勝点をマーク。今季ここまで9ゴールと好調で、ACLの大舞台で勝負強さを発揮するタイプなんですよね。Jリーグ経験者だけに、日本のDFの弱点をよく知っているのが厄介です。
ベルクソン(FW/ブラジル)
JDTの絶対的エースストライカー。マレーシア・スーパーリーグで89試合108ゴールという驚異的な記録を持つ得点マシンです。パワフルなフィジカルと高い決定力が武器で、ペナルティエリア内でボールを持たせると何が起きるかわかりません。広島の3バック陣にとって、最も集中力を要する相手になるでしょう。
アリフ・アイマン(MF/マレーシア)
23歳のマレーシア代表MFで、今季ACLエリートで5ゴールを記録した注目株。AFCアジア年間最優秀選手候補にもノミネートされたという事実が、その実力の高さを物語っています。マレーシア人選手として同賞候補に選ばれるのは初めての快挙で、JDTの育成の成功を象徴する存在です。中盤から飛び出すタイミングが絶妙で、広島のボランチ陣は彼の動き出しに常に注意を払う必要があります。
ナチョ・インサ(MF/スペイン)
中盤の舵取り役を担うスペイン人MF。パスの配給力に優れ、JDTのポゼッションサッカーの中心を担っています。ヘリテージ・プレーヤー(マレーシアにルーツを持つ選手)として国内選手枠で登録されているため、外国人枠を圧迫しないのもJDTにとって大きなメリットです。
アンドニ・スビアウレ(GK/スペイン)
JDTの最後の砦を務めるスペイン人GK。ACLリーグステージでは町田を完封するなど、大舞台でも安定したパフォーマンスを見せています。広島としては、シュートの精度を上げてこのGKを攻略する必要があります。
スルタン・イブラヒム・スタジアムの脅威
今夜の舞台となるスルタン・イブラヒム・スタジアムは、2020年にオープンした収容人数40,000人の最新鋭スタジアムです。バナナの葉をモチーフにしたファサードが特徴的で、JDTの本部やトレーニングセンターも併設されたクラブの心臓部とも言える場所。
夜になるとクラブカラーの青・赤・白のLED照明が外壁を鮮やかに彩り、独特の雰囲気を生み出します。JDTサポーターの熱量は東南アジア随一と言われており、ACLの試合ともなればその声援はさらに激しさを増すでしょう。加えて、マレーシア特有の高温多湿な気候も広島にとって大きなハードルとなります。
前回対戦の振り返り(2月10日・リーグステージ第7節)
直近の対戦は2月10日、エディオンピースウイング広島で行われたACLリーグステージ第7節。結果は広島2-1ジョホールで広島が勝利しています。
試合は開始わずか3分、マルコス・ギリェルメのゴールでJDTが先制。しかし広島は18分に鈴木章斗のPKで同点に追いつくと、47分にも鈴木が追加点を奪い逆転に成功しました。鈴木章斗の2ゴールが光った試合でしたが、3分という早い時間帯に失点したことは反省材料です。
今夜はアウェイでの対戦。ホームで勝ったからといって安心はできません。先述のとおり、JDTはホームで格上を食う力を持っているチームです。前回の経験を活かしつつも、全く別の試合として臨む覚悟が必要ですよね。
広島がジョホールに勝つための3つのポイント
1. 立ち上がりの失点を防ぐ
前回対戦では3分に先制を許しました。アウェイの雰囲気にのまれて序盤に失点すると、スタジアム全体がさらにヒートアップして厳しい展開になります。最低でも前半15分まではしっかりブロックを組んで、まず相手の勢いを受け止めることが重要です。
2. マルコス・ギリェルメを自由にさせない
前回の対戦でも神戸戦でもゴールを決めている「Jリーグキラー」を封じることが勝利への鍵。日本のDFの癖を知っている選手だけに、通常の対応では後手に回る可能性があります。塩谷司やキム・ジュソンには、マンマーク気味のタイトな守備を期待したいところです。
3. アウェイゴールを奪う
ラウンド16は2試合のトータルスコアで勝ち上がりが決まります。アウェイで1点でも多く取っておけば、3月11日の第2戦(エディオンピースウイング広島)が格段に楽になります。鈴木章斗は前回のジョホール戦で2ゴールを決めた「ジョホールキラー」。今夜もアウェイの地でゴールネットを揺らしてくれるはずです。
まとめ
ジョホール・ダルル・タクジムは、王族オーナーの資金力に裏打ちされた東南アジア最強クラブです。マレーシア・スーパーリーグ11連覇、ACLエリート2シーズン連続ベスト16進出という実績は伊達ではありません。マルコス・ギリェルメやベルクソンといったタレントに加え、アリフ・アイマンのような若き才能も台頭しており、侮れない相手です。
しかし、サンフレッチェ広島には2月10日にジョホールを2-1で破った実績があり、何よりエースの鈴木章斗は「ジョホールキラー」としての自信を持っているはず。京都戦の敗戦を乗り越え、アジアの頂へと進むために――今夜のアウェイ戦で、紫の戦士たちが再びジョホールの壁を打ち破る姿を信じましょう。
キックオフは今夜21:15。DAZNでの配信情報はこちらの記事でチェックしてくださいね。
