松本泰志は、2026年2月27日、エディオンピースウイング広島で行われたJ1百年構想リーグWEST第4節。サンフレッチェ広島は1-0のリードで迎えた81分、MF松本泰志のバックパスのミスをきっかけに京都サンガF.C.に同点弾を許すと、アディショナルタイムに逆転ゴールを奪われ1-2で敗戦。バルトシュ・ガウル体制での初黒星を喫した。試合後、ピッチで涙を流した松本泰志。浦和レッズから1年で、本来の居場所であるサンフレッチェ広島に戻った男は、この悔しさをどう力に変えるのか。

J1百年構想リーグ第4節 試合結果
サンフレッチェ広島 1 – 2 京都サンガF.C.
得点者:
39分 荒木隼人(広島)
81分 ラファエル・エリアス(京都)
90+3分 エンリケ・トレヴィザン(京都)
あの瞬間――81分のバックパス
先制点を守り続けた広島。問題は魔のラスト10分に起きた
前半はボール保持率が拮抗する展開が続きましたね。
ともすれば優勢だったのは京都サンガな感じもしました。しかし。均衡を破ったのは広島。39分、MF新井直人の右コーナーキックにDF荒木隼人がヘディングで合わせて先制に成功!
ガウル体制のもと開幕3戦無敗と好調を維持していたチームにとって、理想的な試合運びであった。
後半に入ってからは、圧倒的に広島がゲームコントロールできるようになった。
京都の反撃を受けつつも、1点のリードをしっかりと保ったまま、残り10分を切った。ここからWEST2位との勝点差を広げ、首位争いを優位に進める――。ピースウイングのスタンドにも、そんな期待が膨らんでいたはずである。
ただ、今季の広島は、ラスト10分からが問題の時間帯なのですよ「。
一瞬の判断ミスが流れを変えた
81分、試合が一変する。松本泰志が最終ライン中央の荒木隼人へ下げたバックパスがズレた。その瞬間、京都が素早くボールを奪い、速攻を発動。ラファエル・エリアスがGK大迫敬介との1対1を冷静に沈め、試合は1-1の振り出しに戻った。
京都の強力フォワードは流石にミスを見逃さない。
さらに追い打ちをかけるように、90+3分にはGK太田岳志のロングボールを起点に京都が最後の攻撃を仕掛けると、DFエンリケ・トレヴィザンがヘディングで逆転弾を叩き込んだ。勝点3を手中に収めかけた広島にとって、あまりにも残酷な幕切れ。まあ、こういうこともありますけどね。
涙の責任――「僕のミスがなければ」
試合後、松本泰志はピースウイングのピッチ上で涙を流してました。中国新聞は「ピースウイングで3度目の涙」と報じている。
松本は自らの言葉で敗因を語った。
「負けたのは点を取れなかったからではない。僕のミスがなければ、1-0で勝てた。2位との差を広げるチャンスを奪って申し訳ない」
チームの敗戦を一身に背負い込む姿に、この男の責任感の強さがにじみ出ていた。大志はそういう男なのですよ。
一つのバックパスのズレが同点弾の直接的な引き金となり、そこからチームの歯車が狂ったのは事実である。しかし、90+3分の失点まで含めて松本一人の責任とするのはあまりに酷だろう。サッカーにおいてミスは起こりうるものであり、それをカバーし合うのがチームというもの。
というより、やっぱり前回の記事で書いたように、ラスト10分の問題を解決しないと、ですね。
それでも本人がそれを許せないのは、誰よりもこのクラブへの思いが強いから、だと思うのですよ。
浦和での1年、そして「帰還」
「僕は広島に活かされていた」
松本泰志のキャリアを振り返ると、その歩みは決して平坦ではない。2017年に昌平高校からサンフレッチェ広島に加入したものの、すぐにレギュラーを掴んだわけではなかったですからね。
アビスパ福岡、セレッソ大阪への期限付き移籍を経験し、2021年途中に広島へ復帰。そこから地道に出場機会を増やし、2024シーズンにはリーグ36試合3得点を記録、J1リーグ優秀選手賞に選出されるまでに成長したんですよね。
鳴物入りじゃなかったとは思うけど、それでもサンフレッチェ広島になくてはならない存在になってましたよね。
でも……。
その実績を引っ提げ、2025シーズンに浦和レッズへ完全移籍。29試合3ゴールと数字こそ残したものの、松本は浦和での日々をこう振り返っている。
「自分は個で何かができるタイプではなかった。広島では、周りの人たちに支えられていた」
これは浦和を否定する言葉ではないと思いますよ。むしろ新たな環境に身を置いたからこそ得られた、貴重な自己分析である。自分のプレースタイルが最も輝く場所がどこなのか――松本はその答えを身をもって知った、トイおことだと思います。
1年で決断した古巣復帰
広島からの復帰オファーを受けた際、松本は「めちゃくちゃびっくりした」と正直な驚きを口にしている。そりゃびっくりしますよね。完全移籍からわずか1年での古巣復帰は異例中の異例。しかし同時に「やっぱりもう一度、広島でやりたい」と素直に感じたというから、まあ、ご縁とはそういうものなのでしょうか。
高卒から育ててくれたクラブへの愛着。豊富な運動量を活かし、チーム全体の潤滑油として機能するプレースタイル。それはまさにサンフレッチェのサッカーと共鳴するものでり、松本泰志という選手の存在価値そのものですよ。
次なる戦いへ――ACLと巻き返し
過密日程を乗り越えろ
広島の前には、息つく暇もないスケジュールが待っている。3月4日にはACLエリート2025/26ラウンド16第1戦、ジョホール・ダルル・タクジム戦(アウェイ/スルタン・イブラヒム・スタジアム)が控える。東地区3位でノックアウトステージに進出した広島にとって、サウジアラビアでのファイナルステージを目指す大一番だ。まあ、中国地方の雄なので過密スケジュールは仕方ないとはいえ、移動もなかなか大変。
3月11日には第2戦をホームのエディオンピースウイング広島で迎え、14日にはJ1百年構想リーグ第6節ガンバ大阪戦がホームで行われる。ACLと並行して戦うチーム。もう大変。だからこそ松本泰志の運動量と献身性は欠かせない武器となるわけですよ。
松本泰志が見せるべき「広島の松本泰志」
松本のプレーの真骨頂は、90分間走り続ける豊富な運動量と、味方を活かすための惜しみない動き出し。一つのミスで崩れるような選手であれば、2度の期限付き移籍から広島に戻ってレギュラーを掴むことなどできなかっただろう。浦和で「個では戦えない」と気づいた男が、再びチームのために走る決意を持って紫のユニフォームに袖を通している。
京都戦のミスは痛かった。だが、その悔しさをエネルギーに変えてこそ、松本泰志という男の本領が発揮される。
泣いた後の松本泰志は、強いんですよ😀
そして大志はよく泣くのですが、泣いた次のゲームでは必ず活躍するんですよ。
どのゲームで泣いたかは本人の名誉のために内緒にしておきます。
でも、ワシ、松本泰志はかっこええと思います。
まとめ
J1百年構想リーグWEST2位と好位置につけるサンフレッチェ広島にとって、京都戦の逆転負けは苦い教訓としましょう。
松本泰志がピースウイングで流した涙は、弱さの表れではない。このクラブを愛し、勝利への執念を持つからこそ流れた涙。浦和での経験を経て「自分は広島に活かされていた」と悟った男が、再びこの場所に帰ってきた意味は大きい。
ACLの舞台、そしてJ1リーグの巻き返しに向けて。松本泰志の復活を、サンフレッチェファミリーは信じて待っている。あの涙を歓喜の涙に変える日は、きっとそう遠くない。
とは言いながら、ちょっと泣きすぎですけどね。
