【横浜FC 対 東京ベルディ J1リーグ2025年第28節】因縁の地、三ツ沢で再び――泥沼から這い上がるのは横浜FCか、東京ヴェルディか

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明日、8月30日に行われるJリーグ第28節、横浜FCと東京ヴェルディの一戦は、単なるリーグ戦の一試合ではない。それは、Jリーグの歴史の中でも特に鮮烈な記憶として残る、2018年J1参入プレーオフでの激闘の記憶を背負った、特別な“因縁の対決”だ。

あの日のニッパツ三ツ沢球技場には、歓喜と絶望が同居していた。引き分けでもJ1昇格が決まる横浜FCに対し、後半アディショナルタイムに東京ヴェルディのGK上福元直人が攻撃参加し、そのヘディングシュートのこぼれ球をドウグラス ヴィエイラが押し込んだ。その劇的な一撃は、東京ヴェルディに歓喜をもたらし、横浜FCに深い悔恨を残した 。この「涙の記憶」は、横浜FCの選手たち、そしてサポーターの心に深く刻まれている。この試合は、単なる勝ち点3の争いを超え、横浜FCにとって因縁の清算、そして誇りをかけた戦いとなるだろう。ニッパツ三ツ沢球技場が持つ観客席とピッチの近さ が、この試合に臨む両チームの感情的な側面をさらに増幅させることは間違いない。  

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目次

泥沼からの浮上か、さらなる深淵か。両チームの現在地

この特別な舞台に立つ両チームは、奇しくも同じような苦境に立たされている。

横浜FCは現在、J1リーグで3連敗中と苦しいチーム状況だ。直近のリーグ戦では、浦和に1-2、神戸に0-1、G大阪に2-3と、いずれもわずかな差で敗北を喫している 。特に、四方田修平監督が目指す「攻守一体」のハイテンポなサッカー は、ボールを握って主導権を握る時間帯を作り出しながらも、最終的なゴールを奪いきれない課題を抱えている。さらに、指揮官自身が「うまくいっている時間帯や攻めているなかで、少ない守備の機会で失点につながっている」と振り返るように 、攻撃への比重が高まることで、一瞬の守備の隙を突かれる脆さが露呈している。これは、彼らが追求する理想のサッカーが、現時点では痛みを伴う過渡期にあることを示唆している。  

一方、東京ヴェルディもまた、直近3試合で勝ちがない。特に前節のサンフレッチェ広島戦では、ホームで0-3という大敗を喫し、チームの深刻な停滞感が浮き彫りになった 。さらに、深刻なのは攻撃面だ。リーグ戦の直近4試合で無得点が続いており、得点力不足は明確な課題として認識されている 。城福浩監督も、自チームの課題として「最終ラインが深くなる」守備と「アタッキングサードでの決定力不足」を公言しており、チームが抱える問題が内部でも共有されていることが窺える 。この攻撃の機能不全には、攻撃の起点となっていたFW山見大登が右膝前十字靭帯損傷で長期離脱を余儀なくされたことが大きく影響している可能性が高い 。  

両チームが共通して直面する「停滞」という課題。この一戦は、単なる勝ち点3の争いではなく、泥沼から這い上がるための重要なターニングポイントとなる。

監督の哲学と戦術分析 – 予測の鍵を握るミラーゲーム

この一戦を読み解く上で最も重要な鍵となるのは、両チームの監督が掲げる戦術哲学と、それが生み出す「ミラーゲーム」の行方だろう。横浜FCの四方田監督と、東京ヴェルディの城福監督は、それぞれ異なるアプローチでチームを構築しているが、共通して3バックシステムを主軸としている 。  

四方田監督の哲学は「攻守一体」だ。これを実現するために、彼らは「3-4-2-1」のフォーメーションを基本とし、前線で数的優位を作り出す攻撃を志向する。サイドからの仕掛けや、3人目の動きを使った中央突破は、彼らの主要な得点パターンだ 。守備では、リスクを顧みず、フルコートでのマンツーマンディフェンスとハイプレスを徹底し、高い位置でのボール奪取を狙う 。このハイプレッシング後のボール奪取成功率は、リーグでも高い水準にある 。  

一方、城福監督の哲学は「スペースの管理」だ。守備時には「5-3-1」の堅固な守備ブロックを形成し、相手に中央を崩させないことを最優先する 。そして、ボールを奪った瞬間に、相手最終ラインの背後にある広大なスペースを突くロングカウンターを仕掛けることを得意とする。最小限の手数でゴールを目指すという効率的な攻撃スタイルが、彼らの生命線だ 。しかし、城福監督自身が課題として挙げるように、ディフェンスラインが深くなりすぎ、相手に致命的なスペースを与えてしまう場面も見受けられる 。  

両チームは、互いを「ハイプレスも仕掛けてくるし、引いた時にはしっかりとブロックを組んで守ってくる」と警戒しており、この一戦が激しいプレス合戦を軸とした「ミラーゲーム」になる可能性は非常に高い 。  

この戦術的対決において、勝敗を分けるのは両チームの「弱点」をいかに突けるか、そしてその弱点をいかに克服できるかだ。東京ヴェルディは、前節の広島戦で相手のハイプレスに苦しみ、それが失点につながった 。横浜FCはリーグ屈指のハイプレス能力を持つため、序盤から効果的なプレスを仕掛けられれば、東京Vの守備を崩壊させる可能性がある。逆に、横浜FCの「攻守一体」は、攻撃時の守備の脆弱性という側面を内包している 。東京Vがそのプレスをいなし、前線にできた広大なスペースを突くロングカウンターを成功させれば、一気に試合の主導権を握るだろう 。  

さらに、横浜FCが導入した暑さ対策グッズ「フリーズテック」が、この試合に影響を与えるかもしれない 。四方田監督のハイプレス戦術は、夏場の酷暑で強度が落ちるという課題を抱えている 。しかし、クラブがこの課題を認識し、対策を講じていることは、試合終盤のプレスの強度維持に貢献し、勝敗を分ける鍵となりうる。  

勝利へのカギを握るキーマンとXファクター

両チームが抱える課題を乗り越え、勝利を掴むために、特定の選手の活躍が不可欠となる。

東京ヴェルディにとって、FW山見大登の長期離脱は深刻だ 。彼は今季リーグ戦18試合に出場し、チームトップタイの5アシストを記録していた 。彼の不在は、攻撃の核が齋藤功佑と、出場が不透明な森田晃樹に集中することを意味する。もし横浜FCが、守備の原則であるマンツーマンディフェンスを徹底し、この2選手を徹底的にマークすれば 、東京Vの攻撃は機能不全に陥る危険性をはらんでいる。  

横浜FCの得点源はルキアン(4ゴール)と櫻川ソロモン(3ゴール)だ 。彼らのフィジカルと得点感覚が、東京Vの堅い守備ブロックをこじ開けられるかが鍵となる。一方で、東京ヴェルディの攻撃の鍵は、齋藤功佑(5アシスト)と、出場が待たれる森田晃樹(3アシスト)だ 。特に森田の出場可否は城福監督も「当日まで決断は延びる可能性がある」と語るほど重要であり 、彼の復帰が攻撃の活性化につながるか注目される。また、過去の対戦では、東京VのFW染野唯月が横浜FCからヘディングで得点を奪っており 、これは横浜FCが特定のタイプの攻撃(対人能力に優れたFW)に苦戦する課題が再び露呈する可能性を示唆している。  

そして、この試合には、戦術や選手の能力だけでは測れない「Xファクター」が存在する。それは、ホームスタジアムであるニッパツ三ツ沢球技場の圧倒的な雰囲気だ。観客席とピッチの距離が国内屈指のこのスタジアムでは、選手の声や息遣い、ボールを蹴る音がリアルに感じられる 。現在苦しいチーム状況にあるからこそ、この熱狂的なホームの雰囲気が、選手たちの「戦う気持ち」を奮い立たせ、パフォーマンスを向上させる可能性がある 。  

試合展開とスコア予測 – 浮上をかけたロースコアの死闘

ここまでの分析を踏まえると、この一戦は両チームの監督の哲学が正面衝突する、非常に緊張感のある試合展開となることが予想される。

試合序盤は、両チームが似た戦術的志向を持つため、中盤での激しいプレスの掛け合いが予想される。横浜FCがホームの利を活かし、主導権を握ろうとハイプレスを仕掛ける一方、東京ヴェルディは強固な守備ブロックで耐えながら、少ないチャンスを活かすカウンターの機会を窺うだろう。

試合が進むにつれて、どちらかのチームがプレスの強度を落とした瞬間に、もう一方がチャンスを掴む展開となる。特に、疲労が蓄積する試合終盤に、横浜FCのプレス強度や東京ヴェルディの最終ラインの深さという課題が顕著になる。この試合は、両チームの攻撃の課題よりも、守備面でのミスや連携のほころびが勝敗を分ける、ロースコアの展開を予測するのが妥当だ 。  

総合的に判断すると、勝利の女神はわずかにホームの横浜FCに微笑むと予想する。

その根拠は以下の通りだ。

  1. 横浜FCはホームの利に加え、2018年の因縁を晴らしたいという強いモチベーションがある。
  2. 彼らの得意なハイプレス戦術は、東京ヴェルディが前節苦戦した点であり、効果的に機能する可能性が高い。
  3. 東京ヴェルディは山見大登という攻撃の核を欠いており、深刻な得点力不足に陥っている。
  4. ニッパツ三ツ沢球技場の圧倒的なホームの雰囲気が、苦しいチーム状況にある横浜FCの選手たちを奮い立たせるだろう。

以上の要素を総合的に考慮し、今回の試合は、厳しい攻防の末、横浜FCが辛くも勝利を収めるロースコアの死闘となると予測する。

最終予測スコア:横浜FC 1 – 0 東京ヴェルディ

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