「ガウル監督「前半は怒りを感じた」ペトロヴィッチ監督「広島は神戸に匹敵」――試合後コメントで振り返る名古屋グランパス2-1サンフレッチェ広島【J1第7節 2026年3月18日】」

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試合後のミックスゾーン。両監督の言葉には、あの90分のすべてが詰まっていました。

2026年3月18日(水)、豊田スタジアムで行われた名古屋グランパスvsサンフレッチェ広島(J1百年構想リーグ WESTグループ第7節)は、2-1で名古屋が勝利。山岸祐也のセットプレー崩れのボレーと、木村優大の勝ち越し弾に沈んだ広島は、WESTグループの首位争いで一歩後退しました。

試合後のインタビューで、ペトロヴィッチ監督とガウル監督は何を語ったか。ふたりの言葉を軸に、この試合を振り返ります。


目次

ガウル監督「前半は怒りを感じた」――珍しいほどの厳しい自己評価

ハーフタイムの”怒り”

試合後のガウル監督のコメントで最も印象的だったのは、前半への評価の厳しさでした。

「前半については正直すごく残念です。怒りを感じているぐらい、選手たちの動きが緩かったですし、頭の回転も全然回っていなかったのではないかなと思います」

ガウル監督がこれほど感情的な言葉を使うのは珍しいことです。2-0でG大阪を完封した前節、ACLエリートの厳しい舞台をくぐり抜けてきたチームへの期待値がそれだけ高いからこそ、前半のパフォーマンスへの”怒り”は本物だったのでしょう。

監督の言葉を借りれば、前半の問題は「構造とか戦術とかという前」のレベル、つまり戦う姿勢そのものにありました。ボールへのアプローチが遅く、相手の背中を追う「後手の守備」になっていたという指摘は、試合映像を見ても明らかです。名古屋のリカルド・グラッサ・高嶺コンビが余裕を持ってボールを動かし、広島の守備ラインが間延びする場面が繰り返されました。

「ボールを持っているときはそれほど悪くなかった」

一方で、攻撃時の評価は別です。

「ボールを持っているときはそれほど悪くなかったですけど、ボールを持っていないとき、選手たちが自分の役割を果たし切れなかったと思います」

これは興味深い分析です。ポゼッション時の形は崩れていなかった。問題は、ボールを失った瞬間の「切り替えの速さ」と「スライドの速度」だったというのです。すべてが遅かった、と監督は繰り返しました。

「それは頭の問題なのか、個人の問題なのか」――問いかけるような監督の言葉が、このチームの次の課題を明確に示しています。


ハーフタイムの決断――4バック転換が生んだ後半の反撃

システム変更という答え

前半への「怒り」を受けて、ガウル監督はハーフタイムに手を打ちます。2枚替え(鈴木章斗・キム・ジュソンを投入)と3バックから4バックへのシステム変更です。

この変換を名古屋サイドはどう見ていたか。ペトロヴィッチ監督の言葉が雄弁に語っています。

「ハーフタイムを挟んで広島さんが2人メンバーを代えてきて、形を4バックに変えたときに対応が遅れ、落ち着かない時間を迎えてしまいました」

名古屋の守備組織が揺さぶられた、ということをペトロヴィッチ監督自身が認めているわけです。実際に後半の広島は、前半とは別のチームのような躍動感を見せました。

鈴木章斗の同点ゴールが生まれたのはその象徴です。川辺駿のボールを受けた鈴木が、難しい体勢からゴール右隅に沈めた一撃。後半から入ってきた選手がゲームを変える――ガウル監督のマネジメントが機能した瞬間でした。

「後半は素晴らしいリアクション」

ガウル監督の後半評価は、前半とは打って変わりました。

「後半は素晴らしいリアクションで、たくさんチャンスを作って、ゴールも生まれました」

「素晴らしいリアクション」という言葉が象徴するように、後半の広島はシュートを量産し、名古屋ゴールに迫り続けました。荒木隼人のヘディングがポストを叩くシーンも。時間帯によっては完全に広島がゲームを支配していました。

しかし、そこでまた壁が立ちはだかります。


繰り返されるセットプレーの失点――両監督が語った「壁」

ガウル監督「相変わらずセットプレーでやられてしまった」

「良い試合をしていても、相変わらずセットプレーでやられてしまったというのは自分たちの課題かなと思います。試合を決めかねないセットプレーについては改善していかなければならないと思います」

「相変わらず」という言葉が刺さります。これは一度や二度の失点ではなく、繰り返されているパターンだという認識です。今節の名古屋の2点は、セットプレー崩れの山岸ボレーと、セットプレーから流れた局面の木村勝ち越し弾。広島が後半にいくら良い試合をしていても、セットプレーという「別の戦場」でやられ続ける現実があります。

ペトロヴィッチ監督「練習でコーチが伝えている形」

名古屋サイドから見れば、セットプレーはまさに準備してきた「武器」でした。

「2点目も練習でコーチが伝えている形で非常に良かったと思います」

細部まで練り込んだ形からのゴール。広島の守備がどれだけ個の能力で戦っても、相手が「用意してきた形」で来られると対応が難しい。この構図を打破するには、広島側も対策の精度を上げていくしかありません。


ペトロヴィッチ監督「広島は神戸に匹敵するチーム」

名古屋から見た広島の評価

ペトロヴィッチ監督のコメントには、広島への敬意が滲んでいました。

「今日対戦した広島さんも神戸に匹敵するぐらい、リーグの中では優れたチームなので、難しいゲームになるとは思っていました」

リーグ内でトップクラスの実力があるという評価は、広島にとって誇るべきことです。それでも勝ったのは名古屋だった。「難しいゲームを制した」という事実は、名古屋の価値をそのまま示しています。

「フィジカル的なところや走りとか、まだチーム全体として上げていかないといけないと思いますし、細かなところで落ち着いてはがせたのではないかとか、まだ改善できる点はあると思います」

勝ちながらも課題を見つめる冷静さ。ペトロヴィッチ監督らしい視点です。2-1という結果に満足せず、完成度を上げようとするチームの姿勢は、今後の名古屋の戦いにも反映されてくるでしょう。


まとめ

両監督の言葉を並べると、この試合の構造がはっきり見えてきます。

前半は「動きが緩く、頭が回っていなかった」広島。後半は「素晴らしいリアクション」を見せた広島。そして、「セットプレーの壁」に阻まれた広島。

ガウル監督が「怒りを感じた」と言った前半をなかったことにはできません。ただ、後半の修正力と鈴木章斗の得点は、このチームが持つポテンシャルの高さも示しています。

「セットプレーでやられてしまう」という課題は、ガウル監督自身が「相変わらず」と言うほどの継続的な問題です。どのカードよりも素晴らしい試合運びをしていても、それだけで勝点3を確保できないのがサッカー。後半だけで見れば広島が上回っていたからこそ、余計に悔しさが残ります。

でも、前半に「怒り」を感じる監督がいて、ハーフタイムに勇気ある決断を下して、選手たちがそれに「素晴らしいリアクション」で応えた。その連鎖の先に、いつか必ず結果がついてくるはずです。

紫の反撃はまだ続きます。


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