パワハラ(パワーハラスメント)問題の本質  金明輝監督契約解除 黒田剛監督懲罰

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アビスパ福岡の金明輝氏が、コンプライアンス違反で契約解除になり、町田ゼルビアの黒田剛監督は、パワハラの認定はなかったが、懲罰となった

これらのことに関しては、多くの人の好奇心を集めるだろうし、いろんな人がいろんなことを言うだろうとは思う。
金氏や黒田監督を責めるという道筋もあるけど、それは彼らが選手やコーチたちに対して行ったことと変わらなくなってしまう。

これから私が論じることは結構本質的な話だと思う。何の本質かというと、Jリーグのクラブの存在に関する本質だ。
このサイトでも、なぜ町田ゼルビアは嫌われるのかというところでも多少論じているけど、改めて今回の金光輝氏の契約解除、黒田監督の懲罰を受けて、Jリーグのクラブの本質的価値はどこにあるのかを論じてみたいと思います。

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目次

数年前の黒田監督の発言に、彼の認識の間違いが見て取れる。

2024年9月頃J1リーグの終盤戦、第29節・浦和戦の前後あたり)のインタビューで 「(我々は)J1リーグ1年生だよ、1年生。それをいじめる先輩たちがいる」 「日本人の民族性なのか、勝手に悪役にして叩く。『出る杭は打たれる』風潮がある」
といった趣旨のことを答えている。

勘違いも甚だしいというものだ。Jリーグの本質が全くわかっていない。

まず、「1年生をいじめる先輩たちがいる」というのは、自分が勤めていた高校のことを言っているのだろうか。であれば、そうでないようにちゃんと指導するべきだ。
また、日本人の民族性で「出る杭は打つ」というところがあるのは確かにそうかもしれないが、Jリーグの多くのファンは、そのような感情の運び方をしない。

その証拠に、昨年J1に上がってきたファジアーノ岡山に対しては、多くの他のサポーターも心のどこかで応援していたはずだ。岡山も途中までかなり善戦していた。だからといって、出る杭を叩いた人は少なかった。
強ければ悔しいけど一方でしっかりとリスペクトする。それがJリーグのサポーターだ。
なぜ、ファジアーノ岡山は多くのサポから温かくみられたのか?
それは正当でインテリジェンス溢れる方法でクラブを強くしようと監督以下が指導し選手たちも戦っていたからだ。では、町田はどうだ?

なぜ町田は嫌われたのか?いや、今も嫌われているのか。

クラブの価値を「勝つことだけ」に置いているように思われるからだ。
勝てば、ルールギリギリのところで何をやってもいい。
勝てばそのプロセスが多少スポーツマンシップから外れたものであっても許される。こういった価値を持って黒田監督がチームを指導しているように思われる
反則ギリギリのファウルOK、勝てばいいんだよ。
練習の時もパワーハラスメントギリギリOK。勝てる選手を育てているんだから。
勝てばいいんだよ。勝てば許されるんだよ。

いや、やはりダメです。
恐怖で人をコントロールすること自体、やってはダメでしょう。

でも強いチームを作るためには、多少のきつい言葉やパワハラギリギリの指導も必要なのではないかと昭和の価値観を持った人は言うかもしれない。本当に少しでもこう思った人は頭を切り替えた方がいい。
このような指導をして勝つんだったら、勝たない方がいいんですよ。なまじ勝つから、さらに問題が複雑になる。

昨年の天皇杯の決勝は神戸対町田だったけど、観客は少なかった。勝つために何をやってもいいと思っているようなクラブを応援する人はあまりいないんだと思います。
一方で、金明輝元監督だけど、やっぱり自分がやったことの酷さというものを理解していないんだと思う。いくつかのインタビューを読んでもそう思われる。
これは黒田監督も同じだ。黒田監督はインタビューで、パワーハラスメントに近いような行為を自分が行ったということは認識していないと答えていた。
こちらの「町田ゼルビアは、なぜここまで嫌われるのか?」の記事も参考にして下さい)

恐怖で人をコントロールする、それがパワーハラスメント。Jリーグでもどこでもあってはならない

パワーハラスメントというのは、厚生労働省で定義されていて、
(ここから)
以下の①〜③の要素がすべて揃った場合、パワーハラスメントに該当します。

  1. 優越的な関係を背景とした言動
    • 上司から部下への行為だけでなく、「業務上必要な知識や経験を持つ部下から上司へ」「集団による個人への行為」など、抵抗や拒絶が難しい関係性も含みます。
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
    • 業務の目的から大きく逸脱している、回数や頻度が過度である、手段が不適切である(暴力や人格否定)など、社会通念上許容される範囲を超えているものです。
  3. 労働者の就業環境が害されるもの
    • その行為を受けることで、身体的・精神的な苦痛を感じ、職場にいづらくなったり、能力の発揮に重大な悪影響が生じたりする状態です。

注意点:「客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指導や指導」については、たとえ相手が不満に感じたとしてもパワハラには該当しません。
(ここまで)

ということなんですよ。
2番の要素がなかなかクリアされることがないんですけどね。クリアっていう言い方もおかしいですけど。

この定義はどちらかというと上長サイド、つまり会社サイドに有意な規定のようにも感じますが、いずれにせよ、恐怖で人をコントロールするというのは、今の私たちがやるべきことでは絶対にありません。この3つの条件に当てはまらなければパワハラ認定はされませんが、恐怖で人をコントロールすることは、あってはならないこと。
それは人をとても傷つける行為なのです。
物理的な暴力がなくても、言葉や表情で命令で恐怖を与えるのも精神的な暴力です。
だからプロフェッショナルスポーツの世界でも絶対にあってはならないことなのです。

Jリーグのクラブは、その地域に新しいコミュニティを生み出すもの、コミュニティに参加する人たちの生きがいを作り出すものなんだ。

僕が言いたかったことは、Jリーグクラブの存在意義のことなんです。勝って優勝することがJリーグクラブの存在意義ではないんですよ。ここは、なかなか理解してもらえないところなんですけどね。
勝つことは大事。強いことは大事。でも、勝てば、強ければ、それでOKではない。じゃあ、何が重要か。

正当に、コンセプチュアルに、インテリジェンス溢れる戦略で強くなっていく、そのプロセスが大事なんです。
その姿に地元の人たちは(ここで地元というのは関係人口や関心人口も含みます)クラブの姿勢に共感し、そして応援していく。
それが緩やかな一部では強力なコミュニティとなり、新たな地域のご縁を作り出していくことに、Jリーグクラブの存在価値があるんです。
一つ付け加えておくと、正当に、コンセプチュアルに、インテリジェンス溢れる戦略でチームがトレーニングを進めていくと、いつの間にか、どういうわけか。その地域のクラブらしい戦い方になっていくのです。これがまた不思議なところなのですが。

簡単に言えば、地元の人を中心に、地元に興味のある人たちを巻き込んだファンのコミュニティを作り出し、そして、そのクラブを応援することで、生き甲斐を感じる人たちを増やし、地元を誇りに思う人たちを増やす。そういう地元の活性化のエンジンになることができる。それがJリーグのクラブなんです。

だから、どんな手を使ってでも勝てばいいというクラブは尊敬されないし、ファンになる人が少ないんです。
故に、勝てばいい、それだけの価値観しか持っていない指導者は、Jリーグクラブの監督をやるべきではないのです。

薄っぺらい言い方をすれば、Jリーグのクラブは人気商売なんです。勝つことを目標とするのではなく、勝つことに向かう姿に共感してもらい、地元に誇りを持てる人たちを増やす。これが目的なんです。
だから、強くなるための方法が間違っていては、もうダメなんですよ。そこにパワハラのかけらが入り込んだ瞬間、そのクラブは一旦立ち止まり、素早く修正をする必要があります。

Jリーグのプロフェッショナルクラブとしての存在価値をそこでしっかり見極めなければ、監督の人事も間違ってしまうのです。

税リーグと揶揄されないためにも、地元にとってなくてはならない存在になれ

少しだけ話が変わりますが、スタジアム問題などを含め、「Jリーグ」を「税リーグ」と揶揄する人がそ
こそこいます。
このことに関しては、また後日、記事を上げたいと思いますが、基本的には今日話したクラブの本質がここにも当てはまります。
地元の人の生きがいになれば、それはある意味、公器にもあたります。
であれば、税金投入の意味合いも出てくると思います(もちろん税金投入は少ない方がいいと思いますが)。

また、いずれこのことはお話しさせていただきたいと思います。

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