2026/27明治安田J1リーグ第8節、9月19日(土)、ベスト電器スタジアム。アビスパ福岡0-1サンフレッチェ広島。後半23分、東俊希のゴールで勝ちました。19日の試合が終わった時点では暫定首位。20日の2試合を終えて、首位ヴィッセル神戸と勝ち点2差の3位です。
本当なら、ここから気持ちよく振り返りの記事を書くところなんですが。
どうにも後味が悪い。
起きたことを、まず事実として書いておきます。前半20分過ぎ、福岡のキャプテンのスライディングタックルが、松本泰志選手の膝に入った。主審の最初の判定はイエローカード。そのあとVARが介入して、オンフィールド・レビューの末にレッドカードに変わりました。松本泰志選手は一度はプレーを続けたものの、ピッチに座り込んでしまい、担架で負傷交代。中国新聞によれば右膝を痛めていて、ベンチでは松葉づえだったそうです。
福岡はさらに前半アディショナルタイム、別の選手が2枚目のイエローで退場。前半のうちに9人になりました。(試合全体の振り返りはこちらの記事に書きました)
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サッカーの本質から離れたところで、いや、むしろこれこそ本質の話なのか。とにかく、かなりまずい、そして醜い問題が表に出た試合だったと僕は思っています。
勝つためなら何をやってもいい。そう思っている人が、まだJ1にいるんですよね
「勝つこと至上主義」と言えばいいのかな。勝つためなら何をやってもいい、という考えに支配された人が、いまだにJ1で指導したり、プレーしたりしている。
選手やクラブだけじゃありません。一部のマスコミや解説者、実況のアナウンサーにも、そういう人はいる。こういうプレーのあと、よく聞く言葉がありますよね。
「勝ちたい気持ちが、当たりの強いプレーになってしまった」
「故意ではない」
「ボールに行っていた」
これ、全部間違っていますから。(キッパリ)
サッカーだけの話でもないんです。ほかのスポーツでもそう。いや、スポーツに限らない。仕事でも、人づきあいでも、人生のあらゆる場面で、いちばん大切にされるべきものは決まっている。
命なんですよ。
怪我をさせないことより、勝つことが先に来てしまう。それが「行動原理」になっている人がいるんだと思う
まさにここなんです。勝つこと至上主義の人は、相手に勝てるならルールぎりぎりで何をやってもいいと考える。いや、ルールを破ってでも勝つべきだ、と。考え方というより、もう体に染みついた行動原理なんだろうな。
福岡のキャプテンは、まさにその行動原理で動いていました。
ぶつかって、イエローが出たあとの振る舞いもひどかった。判定に不服な態度をとっていた。たぶん頭の中は「ボールに行っている」「わざとじゃない」、そんなところだったんじゃないでしょうか。ゲキサカも、キャプテンが松本選手に謝る様子はまったくなかった、と書いています。
プレー中はアドレナリンが出て、興奮状態にあるんでしょう。それはわかる。わかるんですけど。
相手の命は大切だ。不要な怪我をさせてはならない。選手生命という命だって、当然大切にしなきゃいけない。そういう行動原理が人間として叩き込まれている人は、あのタックルには行かない。判定のあとに、ああいう不遜な態度もとらない。
偉そうなことを言ってるなあ、とは自分でも思います。でも、ここは譲れない。
解説とアナウンサーまで、あのプレーを責めなかったのには、正直びっくりしました
びっくりしたのは中継です。解説もアナウンサーも、あの選手をはっきり否定しなかった。それどころか、勝ちたい気持ち自体はいいんだ、というような、間違った行動原理のまま解説と中継を続けていた。
解説がそれを言っちゃダメでしょう。
中継を見ている子どもたちもいるわけです。サッカー少年団の子も、中学の部活の子も。その子たちが「勝ちたい気持ちがあれば、あれくらいはいいんだ」と受け取ったら、どうするんだろう。
「ボールに行こうとしていた」は、言い訳にならないんです。ルールを読むと、そうなっている
中継では、解説とアナウンサーがしきりに「ボールには行こうとしていた」と言っていました。
でもこれ、意味がないんです。
サッカーの競技規則、第12条の「ファウルと不正行為」。ここでは、タックルやチャレンジが「不用意に」「無謀に」「過剰な力で」行われたかどうかでファウルを判断します。いちばん軽い「不用意」からして、相手にチャレンジするときに注意や配慮が欠けていること、と定められている。見ているのは、そのプレーのやり方と結果です。わざとかどうか、ボールに行ったかどうかは、判断の軸になっていない。そして、相手の安全を脅かすほどの力を使ったら、退場です。
配慮、なんですよね。ルールブックの言葉として、いい言葉だなあ。
たとえボールに行こうとしていても、配慮を欠いて相手にダメージを負わせるプレーはファウル。どんな状況でも、相手の安全に配慮する。これがルールの本質ですよね。
今回のキャプテンへのレッドカードも、報道によれば、主審が映像を見直したうえで、著しく不正なプレーとして判定を変えたものでした。
僕の考えを言うと、前半の3つの場面は、どれも一発退場だったと思う
この試合、前半は本当に荒れていました。
前半11分、福岡の選手のスライディングが、鈴木章斗選手のふくらはぎに入った場面。前半16分、鈴木章斗選手がプレスバックの際に、福岡の選手のアキレス腱あたりを後ろから踏んでしまった場面。どちらもイエローカードで終わっています。そして前半20分過ぎの、キャプテンと松本泰志選手の場面。
僕は、この3つとも一発退場だったと思っています。
そう、うちの鈴木章斗も含めて、です。サンフレッチェの選手だから許される、なんてことはない。後ろからアキレス腱のあたりを踏まれる怖さは、敵も味方も同じですから。
そのうえで言わせてもらうと、3つの中でも、松本泰志選手にぶつかっていったあのプレーは、群を抜いてひどかった。
相手を尊重できない選手やクラブは、サッカーに関わってはいけない。僕はそう思っています。ちょっと言いすぎかな。いや、言いすぎじゃないな。
東俊希のゴールで勝ち点3。首位とは勝ち点2差の3位。本当は、もっと素直に喜びたかったんですけどね。
泰志、早く元気な顔が見たいな。
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参考・出典
- サンフレッチェ広島オフィシャルサイト「明治安田J1 第8節 アビスパ福岡 vs サンフレッチェ広島 試合データ」(2026年9月19日)
- サッカーダイジェストWeb「福岡に開始21分で痛恨の退場者。今季初先発の主将が危険タックルで一発レッド、VAR介入でイエロー取り消しに」(2026年9月19日)
- ゲキサカ「福岡vs広島は荒れ模様…福岡に前半だけで2人の退場者、両チームで一発レッド可能性のVARチェックも発生」(2026年9月19日)
- 東スポWEB「J1福岡またホームで勝てず 2人退場の判定に塚原監督「公平性というか…ちょっと悔しい」」(2026年9月19日)
- サッカーダイジェストWeb「広島にアクシデント。28歳MFが担架に乗って負傷交代。激しいチャージを受け、一時はプレー続行もピッチに座り込む」(2026年9月19日)
- 中国新聞デジタル「松本泰志、右膝痛め交代 ベンチで松葉づえ【J1】9月19日福岡戦」(2026年9月19日)
- FOOTBALL ZONE「J1最新順位表、勝点差2に上位5チーム 下位も混戦…開幕未勝利、7戦白星なしの苦境クラブも」
- サッカー競技規則 第12条「ファウルと不正行為」(日本サッカー協会)
