2026/27明治安田J1リーグ 第6節|2026年9月6日(日)18:00キックオフ
JFE晴れの国スタジアム|ファジアーノ岡山 3-2 サンフレッチェ広島|観衆14,613人
今季初黒星
負けました。3-2。今季6試合目にして、初めての黒星です。
そして中国ダービーは、これで5回目です。広島が90分で勝てたのは、いまだに2025年7月の1回だけ。
まず数字を置きます。この試合のゴール期待値は、広島1.97、岡山1.19でした。シュートは広島19本に対して岡山9本。ボール支配率は69%対31%。それで3-2の負けです。
xGで0.78上回って、スコアで1点負けた。今日はその話を書きます。
試合経過
| 時間 | 得点者 | 形 |
|---|---|---|
| 10分 | 河野孝汰(岡山) | ルカオのクロスからPA中央で左足 |
| 21分 | 河野孝汰(岡山) | オベルダンのパスからPA中央で左足 |
| 45+2分 | セバスティアン アレー(広島) | 加藤陸次樹のパスからPA中央で右足 |
| 50分 | 河野孝汰(岡山) | 本山遥のクロスにヘディング |
| 64分 | 川辺駿(広島) | 東俊希のクロスからPA中央で右足 |
10分に河野。21分にまた河野。前半21分までに2点のビハインドです。ここで折れなかったのは、45+2分のアレーでした。加藤のパスに反応して右足、ゴール右上。1点差で折り返します。
しかし後半5分、また河野。本山のクロスにヘディングで合わせて3-1。これがハットトリックです。
64分、東のクロスから川辺が右足で押し込んで3-2。その3分前、61分に岡山のオベルダンが2枚目の警告で退場していました。アディショナルタイムを含めれば残り40分近く、広島は10人の岡山を相手に、1点を追いかけることになった。
追いつけませんでした。
なぜ負けたのか:3失点の中身
負けた理由は、はっきりしています。岡山が打った9本のうち、3本が入ったからです。
もう少し正確に言うと、岡山のシュートは9本、枠内5本。そのうち3本がゴールになりました。ゴール期待値は1.19。期待値の2.5倍を決めたことになります。
問題は、その3点がどこから来たかです。
プレビュー第2弾で、僕はFootball LABの数字を根拠にこう書きました。広島の今季2失点はどちらもセットプレーから。流れの中からは1点も取られていない、と。
この試合の3失点は、3つとも流れの中からでした。 しかも2つはクロスから、1つ(3点目)はヘディングです。5試合積み上げた「流れの中から失点しない」という数字が、1試合で崩れた。
ガウル監督は試合後、3失点目についてこう言っています。
「非常にスピーディーに局面が変化したシーンでしたが、あのように連続してクロスを放り込まれた際、ディフェンスラインのスライドやマークの受け渡しが遅れてしまったことは猛省しなければなりません」
そして総括では、こうです。
「先制点を与えて相手の勝ちパターンに持ち込ませてしまったこと」がすべてでした、と。
監督は、前日にこの試合を言い当てていた
サンフレッチェ広島公式に載っている試合前日のコメントを読み返すと、少し背筋が寒くなります。
ガウル監督は9月5日(土)の時点で、こう言っていました。
「岡山はフィジカルが非常に強く、堅固な守備を誇る素晴らしいチームです。まずはこの守備をどうやってこじ開けるかが最大のテーマになります」
「彼らはボールを動かしながら危険な決定機を作ってくる攻撃のクオリティも兼ね備えています」
そして、名古屋戦の反省として挙げていたのがこれです。
「相手がマンマーク気味にブロックを敷いて守備を固めてきたとき、我々が相手のギャップを見出せず、効果的に『裏のスペース』を突けない時間がありました」
試合後のコメントでは、こうなりました。
「岡山がリードを奪った後に自陣20〜25メートルまで全員で引いてブロックを敷くことは分かっていましたし、その堅い守備を崩すのは極めて困難でした」
分かっていて、崩せなかった。 ここが一番厳しく感じました。
10人の岡山を相手に、10本打って枠内2本
数字でいちばん重いのは、ここだと思います。
Jリーグ公式の試合速報に、時間ごとのスタッツが残っています。それを並べるとこうなります。
| 時点 | 広島のシュート | 枠内 | ゴール期待値 |
|---|---|---|---|
| 前半終了 | 6 | 3 | 0.87 |
| 65分 | 9 | 4 | 1.10 |
| 85分 | 14 | 5 | 1.44 |
| 試合終了 | 19 | 6 | 1.97 |
オベルダンの退場が61分。その4分後、65分時点で広島のシュートは9本、枠内4本でした。そこから試合終了までに10本を追加して、枠に飛んだのは2本です。xGは0.87積み上がっているので、いい位置までは入っている。でも枠に行かない。
試合終了間際の速報を読むと、越道草太が右サイドを何度も持ち上がってクロス、菅大輝が左からクロス、拾ってまたクロス、という時間帯が続いています。CKは8本。それでも、こじ開けられなかった。
10人になった相手に対して、正面から殴り続けて届かなかった。これが結果です。
走る岡山、走らない広島、そのとおりになった
プレビュー第2弾で書いた「走る岡山、走らない広島」は、そのまま出ました。
| 広島 | 岡山 | |
|---|---|---|
| 走行距離 | 115.49km | 118.03km |
| スプリント | 98 | 118 |
10人になってからも、岡山のほうが走っている。プレビューで僕は「終盤に運動量が残っているのは岡山のほうかもしれない」と書きました。そこは当たってしまった。
支配率69%、パス成功率84.9%。数字だけ見れば広島が試合を支配しています。でも走行距離とスプリントで下回っている。持たされていたという見方も、できてしまう。
予想の答え合わせ
このブログは予想を書いた以上、答え合わせをします。
スコア予想:0-1で広島 → 外れ
プレビュー第1弾で「0-1で広島、決勝点は後半」と書きました。Dixon-Colesモデル(v3.5)の確率は、岡山勝ち21.8%、引き分け24.9%、広島勝ち53.3%。21.8%のほうが起きたわけです。
モデルの中心的な的中率は53.8%前後です。2回に1回は外れる。今回がその1回でした。
スタメン予想:11人中9人的中
スタメン予想の記事で「名古屋戦と同じ11人」と予想しました。実際はこうです。
実際の先発:大内/中野・荒木・佐々木/新井・川辺・中島洋太朗・東/加藤・鈴木・アレー
外したのは2人。松本泰志→中島洋太朗、川村拓夢→アレー。
これ、記事で「危ういのはこの2枠だけ」と書いた、まさにその2枠でした。そして僕は記事の中で「相手が3バックだった2試合は2勝6得点0失点。ただしその2試合はアレーが1トップだった時期」と書いて、「『3バック相手にはアレー1トップ』というデータの読み方も、成り立たなくはない」と添えていました。
その読みのほうが正しかった。 僕は「後半にアレーを入れるカードを残したいはず」という論理を採って、データの読みを退けた。そこが間違いでした。
なお、アレーは先発して前半終了間際に得点しています。監督の判断は結果として正しかったことになります。
ベンチについては、僕が「確実に入る」と書いたアレー・中島・鮎川峻・大迫敬介と、名古屋戦で今季初めてベンチ入りしたキム ジュソンは、全員がメンバーに入っていました。
もう一つ、書いていなかったこと:後半頭から4バックに変えた
スポーツナビのフォーメーション推移を見ると、広島は前半を3-4-2-1で戦い、後半頭から4-2-3-1に変えています。46分の新井直人→鮎川峻がその交代で、そのまま試合終了まで4バックでした。
ハーフタイムのスコアは2-1。1点を追いかける状況での配置変更です。そして実際、後半の広島は64分に川辺が点を取っている。手は打たれていた。それでも足りなかった、ということです。
データの答え合わせ:当たりと外れ
プレビュー第2弾で並べたFootball LABの数字は、当たったものと外れたものがはっきり分かれました。
| 書いたこと | 結果 |
|---|---|
| 走る岡山、走らない広島 | 当たり(118km/118スプリント 対 115km/98) |
| 岡山の決定力(成功率5.8%)は続かないはず | 当たり(9本中3本、成功率33%) |
| 広島の失点はセットプレーからだけ | 外れ(3失点とも流れの中から) |
| 岡山の得点はパスから、クロスはゼロ | 外れ(クロスから2点) |
| 数字が指すのはロースコア | 外れ(合計5点) |
5試合の積み上げから読んだ「型」は、5つのうち3つが1試合で裏返りました。5試合という標本の危うさを、身をもって確認した形です。
それでも、2点は取った
暗い話ばかり書きましたが、事実として書いておきたいことがあります。
0-2から、広島は2点を返しています。前半終了間際にアレー、後半にも川辺。2点のビハインドを1点差まで戻すのは、簡単なことではありません。
ガウル監督も、そこには触れています。
「最後までアグレッシブに前に出ていき、2点をもぎ取った姿勢は評価できます」
「私は彼らが『闘う姿勢を失っていた』とは全く思いません。最後まで全員で走り、ゴールに向かい続けてくれました」
そしてロッカールームでの言葉が、これです。
「自分たちのサッカーと、これまで進んできたプロセスを信じて、顔を上げてやり続けるだけだ」
順位は5位。勝点11。まだ6試合です。首位の町田とは勝点5差。
僕が考えていること
xGで上回って負けた試合を、どう受け止めるか。
一つの読み方は「内容は悪くなかった、たまたま入らなかっただけ」です。実際、19本打ってxG1.97というのは、悪い数字ではありません。
でも僕は、そう単純には思えません。理由は二つあります。
一つ目。19本打って枠内6本、という比率です。とくに65分以降、10人の相手を追いかけた時間帯で10本打って枠内2本。打っているけれど、良い形で打てていない。 ゴール前まで運べていないのではなく、運んだ先の最後の質が足りていない。9月1日の記事から続いている決定力の話は、まだ終わっていません。
二つ目。3失点の中身です。今季ここまで2失点、しかも両方セットプレーからという数字は、リーグ最高の守備の証拠でした。それが1試合で3失点、しかも全部流れの中から。監督が「マークの受け渡しが遅れた」と言った以上、これは偶然ではなく、修正すべきものです。
ただ、ガウル監督の言うとおり、1敗で今季築いてきたものが崩れるわけではありません。5試合無敗のチームが、6試合目に負けた。それだけのことでもあります。
xGで勝って、スコアで負けた。この試合の記録として、この一行を残しておきます。次に同じ形になったとき、どちらが起きるかを見るために。
次は、サポーターの声を
この試合について、書きたいことがもう一つあります。
スタジアムには14,613人が入りました。そして試合後、SNSにはたくさんの言葉が流れました。悔しさ、怒り、擁護、分析。ダービーの負けは、いつもの負けとは違う温度を持ちます。
次の記事はサポーターの反応を中心に書いてみたいと思います。記事アップまでもう少しお待ちください。
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参考・出典
- Jリーグ公式サイト「岡山 vs 広島の試合結果・データ(2026年9月6日)」(https://www.jleague.jp/match/j1/2026/090606/)※スコア・得点者・時間ごとのゴール期待値・スタッツ・観衆
- サンフレッチェ広島オフィシャルサイト「明治安田J1 第6節 ファジアーノ岡山 vs サンフレッチェ広島 試合データ」(https://www.sanfrecce.co.jp/matches/20260906/matchdata)※出場選手・交代・スタッツ
- サンフレッチェ広島オフィシャルサイト「同 試合レポート」(https://www.sanfrecce.co.jp/matches/20260906/report)※バルトシュ ガウル監督の試合前日コメント・試合後コメント
- Jリーグ公式サイト「明治安田J1リーグ順位表」(https://www.jleague.jp/j1/standings/)※第6節終了時点
- ゲキサカ「岡山vs広島 試合記録」(2026年9月6日)※得点者・警告・退場・主審
- スポーツナビ「J1 第6節 ファジアーノ岡山 vs. サンフレッチェ広島 試合経過」(https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/category/j1/game/2026090606/summary)※フォーメーション推移・ベンチ入り選手・戦評
- 当ブログ「第6節岡山戦プレビュー」
- 当ブログ「岡山戦プレビュー第2弾(データ編)」
- 当ブログ「岡山戦スタメン予想」
- 当ブログ「広島の勝てる時と勝てない時の差はどこにあるのか?」
※ゴール期待値はJリーグ公式(J-STATS)の数値です。Football LABのゴール期待値とは算出方法が異なるため、プレビュー記事で使った数値とは直接比較できません。
