FIFAワールドカップ2026 グループF 第2戦
2026年6月21日(日)13:00キックオフ(日本時間)
エスタディオ・モンテレイ(メキシコ・モンテレイ/収容約5万人)
地上波:日本テレビ/衛星:NHK BS/ネット配信:DAZN(独占)
この一戦、勝てば景色が変わる
いよいよ第2戦です。
僕は初戦のオランダ戦を観て、正直ホッとしました。FIFAランク上位の強豪相手に、2度リードを許しながら2度とも追いついての2-2。終盤に追いついた粘りは、見ていて胸が熱くなりました。
そして今度の相手がチュニジア。順位表を見ても、ここはぜひとも勝ち点3が欲しい一戦です。ただ——この試合、相手にちょっと“異変”が起きています。なんとチュニジアは初戦のあと、監督を代えてこの日本戦に臨んでくるのです。
順を追って整理していきましょう。
まずは現状確認——グループFの順位表
第1節を終えた時点でのグループFはこうなっています。
| 順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | スウェーデン | 1 | 1 | 0 | 0 | 5 | 1 | +4 | 3 |
| 2 | 日本 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 |
| 3 | オランダ | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 1 |
| 4 | チュニジア | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 5 | -4 | 0 |
首位はスウェーデン。チュニジアを5-1で粉砕しての勝ち点3です。日本とオランダが2-2で並び、勝ち点1で続きます。チュニジアは大敗を喫して最下位スタートとなりました。
今大会は出場48チームに拡大され、各グループ上位2チームに加えて、3位の中でも成績上位のチームが決勝トーナメントに進出します。つまり、突破のチャンスは例年より広い。だからこそ、第2戦で勝ち点3を積めれば、日本の決勝トーナメント進出は一気に現実味を帯びます。
第1戦の振り返り——日本は「2度追いついた」
日本の初戦は、強豪オランダとの2-2のドローでした。
リードを許してもおかしくない展開のなか、まず後半に中村敬斗が同点ゴール(57分)。さらに突き放されたところを、終盤に鎌田大地が劇的に追いつきました(89分)。土壇場の一撃は、まさに執念の同点弾でした。
日本のメディアでも評価は高く、鎌田大地が最高点クラスの採点を受けるなど、強豪相手に勝ち点1を奪い取った価値あるドローだったと思います。
※第1戦の個人採点やスタッツの細部は各社で表記に幅があるため、本記事では確認できた事実(中村敬斗57分・鎌田大地89分の2ゴールで2度追いついた2-2)に絞って書いています。
一方のチュニジアは、スウェーデンに1-5の大敗。アヤリ、イサク、ギェケレシュらに次々と決められ、1点を返すのが精一杯でした。守備が完全に崩壊した、苦い初戦になりました。
チュニジアの“異常事態”——W杯史上初、1試合で監督交代
ここが今回いちばんお伝えしたいポイントです。
チュニジアは、スウェーデンに大敗したあと、サブリ・ラムシ監督を解任しました。 報道によれば、W杯の開幕戦を終えただけ——わずか1試合で監督を解任するのはW杯史上初とのこと。大会期間中に監督が代わること自体は過去にも例があり(史上5例目、チュニジアは1998年大会以来2度目)ですが、それでも“1試合での電撃解任”という速さは前代未聞です。大敗だけでなく、チーム内(ロッカールーム)の不和も背景にあったと伝えられています。
そして後任として6月16日に正式発表されたのが、エルヴェ・ルナール監督です。
ルナール監督といえば、サッカーファンにはおなじみの名将です。コートジボワールやザンビアをアフリカ・ネーションズカップ制覇に導き、モロッコを2018年W杯へ、サウジアラビアを2022年W杯へと率いた実績を持つフランス人指揮官。あの「白シャツ」のイメージで記憶している方も多いのではないでしょうか。
つまり日本は、初戦でスウェーデンに大敗したあのチュニジアと戦うのではなく、名将を迎えて立て直しを図る“別チーム”と対戦することになります。森保監督も「全くの別チームと戦わないといけない」と警戒の言葉を口にしています。
ここは冷静に見ておきたいところです。順位表の数字(1-5の大敗、勝ち点0)だけを見て「楽な相手」と油断するのは危険。むしろ、崖っぷちで監督が代わったチームは、選手が吹っ切れて思い切ったプレーをしてくることがあります。チュニジアにとっては負ければ敗退がほぼ決まる一戦。死に物狂いで向かってくるはずです。
日本の注目ポイント
キーマンは中村敬斗と鎌田大地
初戦で結果を出した2人は、この試合でも中心になるでしょう。中村敬斗の決定力、鎌田大地のゲームメイクと勝負強さは、引いて守ってくるであろうチュニジア攻略の鍵になります。
久保建英の欠場が正式決定
左膝を負傷した久保建英は、6月18日にチュニジア戦の欠場が正式に決まりました。報道によれば、日本代表の拠点ナッシュビルに残って治療を続けるとのことです。初戦で右シャドーとして先発した攻撃の核を欠くのは痛手ですが、ここをどう埋めるかが森保監督の腕の見せどころ。そして、誰かがチャンスをつかんで台頭する一戦になるかもしれません。
守護神・鈴木彩艶
ゴールマウスは、正GKの鈴木彩艶(ザイオン)が引き続き守ることになるでしょう。チュニジアの長身FW陣とのハイボール争いやセットプレーの守備で、彼の安定感が試される一戦です。
予想スターティングメンバー——久保の穴を誰が埋めるか
ここからは、僕なりの予想スタメンです(※あくまで予想です。確定は試合当日のメンバー発表になります)。まずは出発点として、初戦オランダ戦の“実際の”布陣をおさらいします。
第1戦オランダ戦の先発(これは事実)
森保ジャパンは初戦、3-4-2-1で臨みました。
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| GK | 鈴木彩艶 |
| DF(3バック・右→左) | 渡辺剛/谷口彰悟/伊藤洋輝 |
| ボランチ | 鎌田大地/佐野海舟 |
| ウイングバック | 堂安律(右・ゲームキャプテン)/中村敬斗(左) |
| シャドー | 久保建英(右)/前田大然(左) |
| 1トップ | 上田綺世 |
※新主将の板倉滉、冨安健洋らはベンチスタートでした。
第2戦チュニジア戦の予想布陣(ここからは予想)
久保が抜ける右シャドーをどう埋めるか。報道各社の予想を総合すると、有力なのは堂安律を右シャドーにスライドさせ、空いた右ウイングバックに菅原由勢を起用する形です。僕もこの3-4-2-1継続が一番自然だと見ています。
| ポジション | 予想メンバー | 第1戦からの変更 |
|---|---|---|
| GK | 鈴木彩艶 | 継続 |
| DF(3バック) | 渡辺剛/谷口彰悟/伊藤洋輝 | 継続 |
| ボランチ | 鎌田大地/佐野海舟 | 継続 |
| ウイングバック | 菅原由勢(右)/中村敬斗(左) | 右WBに菅原 |
| シャドー | 堂安律(右)/前田大然(左) | 堂安が右シャドーへ |
| 1トップ | 上田綺世 | 継続(※下記参照) |
1トップは流動的かもしれません。 上田綺世のコンディションを慎重に見るという見方もあり、小川航基、後藤啓介、町野修斗、塩貝健人らの先発・起用も候補に挙がっています。チュニジアの堅守が予想されるなか、誰を最前線に置くかは森保監督の重要な決断になりそうです。
もう一つのシナリオ——「4-4-2」への変更
一部メディアからは、思い切った4-4-2へのシステム変更を推す声も出ています。久保(右シャドー)に加え、南野拓実・三笘薫といったシャドー要員も不在のため、「いっそシャドーを置かない」という逆転の発想です。実はこの4-4-2、オランダ戦の終盤に試して手応えを得た布陣でもあります。ただし「4バックは冨安健洋ありきのシステム」という指摘もあり、採用には冨安の状態が鍵になりそうです。
このあたりのシステム選択をどうしてくるか——森保監督の采配に注目して観るのも、この試合の楽しみ方の一つだと思います。
チュニジアの脅威——侮ってはいけない
チュニジアは伝統的にフィジカルが強く、組織的な守備に定評のあるチームです。初戦は守備が崩壊しましたが、それは“あのチュニジアらしくない”試合だったとも言えます。ルナール監督の修正力で守備が引き締まれば、初戦とはまったく違う、堅いチュニジアが出てくる可能性は十分あります。
日本としては、相手が立て直してくる前提で、立ち上がりから主導権を握りたい。引いて守る相手をこじ開けるには、サイド攻撃とセットプレー、そして先制点が重要になります。
予想——日本が勝ち切ると見ています
期待値で考えると、僕は日本の勝利が本命だと思っています。
理由は3つ。第1に、地力の差。日本はオランダと互角に渡り合った一方、チュニジアはスウェーデンに完敗しています。第2に、チュニジアは監督交代の直後で、新体制での連携やコンセプトの浸透にはどうしても時間がかかること。第3に、突破がかかる日本のモチベーションと、敗退が目前に迫るチュニジアの“崖っぷち感”——プレッシャーの質が違います。
ただし、油断は禁物。名将ルナールが就いた相手は別チームですし、崖っぷちのチームの怖さもあります。固い試合になることも想定しつつ、僕の予想スコアは——
日本 2-1 チュニジア
先制できれば、日本がそのまま危なげなく勝ち切る。逆に先制を許すと、引いて守るチュニジアを崩しきれず苦戦する——そんな展開を予想しています。いずれにせよ、勝てば決勝トーナメントが見えてくる大一番。日本時間の日曜13時、見逃せません。
