今日、2026年8月7日。Jリーグにとって歴史的な一日です。1993年の開幕以来ずっと続いてきた「春に始まり冬に終わる」シーズンが、ついに「夏に始まり初夏に終わる」秋春制へと切り替わります。その最初の一歩が、今日踏み出されるわけです。
新しいシーズンの始まりといえば、やっぱり順位予想。というわけで今回は、僕がtoto予想で使っているDixon-Colesモデルの計算結果と、この夏の移籍市場を踏まえた定性評価を組み合わせて、26-27シーズンJ1全20チームの最終順位を予想してみます。
🔻 新シーズンのJリーグを観るなら
▶ DAZNで観る
1. 前提の整理──何がどう変わるのか
まず今シーズンの枠組みを整理しておきます。
- 参加は20チーム、ホーム&アウェイの総当たりで全38節
- 開幕は8月7日から9日。年内は第20節まで戦い、12月中旬から約2か月のウィンターブレークに入ります
- リーグ再開後、最終節は2027年6月上旬
- 下位3クラブはJ2へ自動降格。入れ替え戦はありません
そして今年の2月から6月にかけては、移行期の特別大会「明治安田J1百年構想リーグ」が開催されました。EAST・WESTの2グループ制で、最終順位は1位神戸、2位鹿島、3位C大阪。サンフレッチェ広島は7位でした。昇降格のない大会とはいえ、直近の各チームのコンディションを映す貴重なデータです。今回の予想モデルは、この百年構想リーグの198試合(リーグ戦+プレーオフ)を学習データにしています。
2. 予想の方法──モデル×定性のハイブリッド
このブログのtoto予想を読んでくださっている方にはおなじみの、Dixon-Colesモデル。各チームの攻撃力・守備力・ホームアドバンテージを試合結果から推定する統計モデルで、僕のtoto予想では第1630回で69.2%という自己最高の的中率を出した主力エンジンです。
今回はこのモデルで26-27シーズンの全380試合を10,000回シミュレーションし、各チームの平均勝点・優勝確率・降格確率を算出しました。なお、百年構想リーグにあった「90分引き分けなし(PK戦あり)」のルールが今季は通常ルールに戻るため、引き分け確率の補正も入れています。
ただし、モデルには弱点があります。学習データは6月までの試合結果なので、この夏の移籍市場を一切知らないのです。神戸の渡辺皓太獲得も、広島のセバスティアン・アレー獲得も、川崎の大型補強も、モデルの数字には反映されていません。そこで、モデルの計算結果を土台に、補強・監督人事・ACLによる過密日程などの定性要素で補正をかける。これが今回のアプローチです。
3. モデルの計算結果──上位4チームは大混戦
まずはモデルの生の数字から。10,000回シミュレーションの結果です。
| モデル順位 | チーム | 平均勝点 | 優勝確率 | 3位以内 | 降格圏 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | C大阪 | 72.0 | 27.0% | 63.6% | 0.0% |
| 2 | 広島 | 70.7 | 20.7% | 55.8% | 0.0% |
| 3 | 神戸 | 70.6 | 20.2% | 55.7% | 0.0% |
| 4 | 鹿島 | 69.8 | 18.0% | 51.3% | 0.0% |
| 5 | G大阪 | 63.9 | 5.2% | 22.8% | 0.0% |
| 6 | 名古屋 | 62.3 | 3.6% | 17.4% | 0.1% |
| 7 | 岡山 | 61.7 | 2.9% | 14.8% | 0.1% |
| 8 | FC東京 | 59.8 | 1.6% | 10.7% | 0.2% |
| 9 | 町田 | 55.2 | 0.4% | 3.6% | 0.8% |
| 10 | 浦和 | 53.0 | 0.2% | 1.8% | 1.1% |
| 11 | 横浜FM | 50.8 | 0.1% | 1.2% | 2.9% |
| 12 | 長崎 | 47.3 | 0.0% | 0.2% | 6.4% |
| 13 | 柏 | 47.2 | 0.0% | 0.3% | 6.3% |
| 14 | 清水 | 47.2 | 0.0% | 0.3% | 6.2% |
| 15 | 福岡 | 45.9 | 0.0% | 0.2% | 8.5% |
| 16 | 京都 | 42.8 | 0.0% | 0.1% | 16.7% |
| 17 | 川崎 | 40.8 | 0.0% | 0.0% | 24.2% |
| 18 | 東京V | 35.9 | 0.0% | 0.0% | 51.4% |
| 19 | 千葉 | 30.3 | 0.0% | 0.0% | 80.2% |
| 20 | 水戸 | 24.9 | 0.0% | 0.0% | 95.0% |
注目ポイントは3つあります。
第一に、上位4チームの優勝確率が18〜27%に収まる大混戦。モデルは「絶対的な本命はいない」と言っています。第二に、C大阪がモデル1位。百年構想リーグ3位の好成績と、攻守のバランスの良さが数字に表れています。第三に、川崎がまさかの17位。百年構想リーグの不振(最終8位ながら90分ベースの内容が悪かった)をモデルが重く見た形です。
4. 最終予想──全20チーム、僕の答え
モデルの数字に定性補正を加えた、僕の最終予想がこちらです。
優勝争い(1位〜4位)
1位 ヴィッセル神戸
百年構想リーグ優勝チームを、そのまま本命に推します。理由は継続性です。今季からチームを率いるミヒャエル・スキッベ監督は、就任半年でタイトルを獲得。プレーオフの1-2位決定戦では鹿島に第1戦5-0という衝撃的なスコアで勝ちました(大迫勇也のハットトリックつき)。さらにこの夏は横浜F・マリノスから渡辺皓太を獲得して中盤を強化。ACLEとの並行という負荷はありますが、選手層と勝ち方を知る集団の強さで押し切ると見ます。
……正直に書きます。スキッベさんが率いるチームを本命に置くのは、広島ファンとして複雑な気持ちです。でも、それだけの監督だということを、僕たちは誰よりも知っています。
2位 サンフレッチェ広島
モデルの評価(2位・優勝確率20.7%)を、僕はそのまま採用します。バルトシュ・ガウル監督は百年構想リーグの序盤こそ苦しみましたが、後半戦に立て直し、WESTグループでは得失点差+8とグループ最良の数字を残しました。新体制の浸透曲線は、明らかに右肩上がりです。
そしてこの夏の補強。FCユトレヒトから完全移籍で加入したセバスティアン・アレーは、アヤックス時代にエールディヴィジ得点王、チャンピオンズリーグでも結果を残してきたストライカーです。ボックス内で仕事を完結できるFWの獲得は、ここ数年の広島の課題への直接的な回答だと思います。さらに浅野拓磨がRCDマジョルカから復帰。中村草太のル・アーヴルAC移籍(期限付き)は痛手ですが、攻撃陣の総量はむしろ増えたのではないでしょうか。
もうひとつ大きいのが、今季の広島にACLがないこと。リーグ戦に集中できる日程は、38節の長丁場で確実に効いてきます。
3位 鹿島アントラーズ
2025年J1王者にして、百年構想リーグEASTを勝点45・18試合失点9という異次元の数字で制したチーム。地力は間違いなくリーグ最強クラスです。移籍市場では加入5・退団5と動きが少なかったものの、裏を返せば王者の骨格を維持できたということ。得点王レオ・セアラを軸とした攻撃も健在です。3位に置いた理由はただひとつ、ACLEとの二正面作戦。それでも優勝候補の一角であることに変わりはありません。
4位 セレッソ大阪
モデル1位のチームを4位まで下げました。理由は監督交代です。百年構想リーグ3位という好成績を残したチームに、7月にパブロ・マチン新監督が就任。実績のある指揮官ですが、新体制の立ち上げと開幕がほぼ同時というスケジュールは、序盤の不安定さを覚悟すべき状況だと思います。本間至恩や櫻川ソロモンといったタレントは魅力十分。マチン監督のスタイルが浸透すれば、優勝争いに絡んでくるはずです。
ACL圏・上位争い(5位〜8位)
5位 川崎フロンターレ
モデル17位からの大幅上方修正です。百年構想リーグの内容は確かに悪かった。でも、この夏の川崎は12人を新たに迎える大規模な陣容の入れ替えを敢行し、移籍情報サイトの集計では今夏のJ1でも最大級の投資をしたクラブのひとつです。2025年も8位と地力は保っており、これだけ動いたクラブが2年続けて沈むとは考えにくい。「モデルが知らない夏」の代表格として、思い切って5位に置きます。
6位 FC東京
百年構想リーグ4位、EASTでは鹿島に次ぐ2位と、確かな上昇気流に乗っています。夏の移籍市場でも15人加入と積極的に動きました。プレーオフで見せた佐藤龍之介ら若いタレントの躍動も好材料。上位進出の準備は整いつつあると見ます。
7位 ガンバ大阪
モデルは5位評価。ただ、新シーズンは明神智和新監督での船出となり、立ち上げの不確実性を考慮して少し下げました。ACLE予選という追加負荷もあります。攻撃のタレントは揃っているので、序盤を無難に乗り切れれば上位も。
8位 名古屋グランパス
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が続投。WEST得点王の山岸祐也(10得点)を筆頭に攻撃力はリーグ屈指ですが、失点の多さも相変わらずで、打ち合い上等のシーズンになりそうです。ミシャのサッカーが完成度を増せば、この予想より上に行く可能性は十分あります。
中位(9位〜14位)
9位 FC町田ゼルビア
百年構想リーグ5位。大崩れしない堅実さは相変わらずで、プレーオフでも名古屋を延長の末に下す勝負強さを見せました。ACL2との並行日程がどこまで響くかがポイントで、消耗を織り込んでこの位置に置きますが、上振れしても驚きません。
10位 ファジアーノ岡山
モデルは7位と高評価。百年構想リーグでも11位と、J1の水に完全に慣れた印象です。木山隆之監督の継続路線は強みですが、2年目のジンクスと選手層を考慮してこの位置に。良い意味で裏切ってほしいチームです。
11位 浦和レッズ
百年構想リーグは12位。戦力的には中位に沈むチームではないはずで、モデル評価(10位)も同水準です。巻き返しの材料はあるものの、上位陣との差を覆す決定打が見えないのが現状だと思います。
12位 柏レイソル
2025年は2位と大躍進しましたが、百年構想リーグは15位と急落。2025年の実績と直近の不振のどちらが実力に近いのか判断が難しく、モデル評価(13位相当)に近い位置に置きました。ACLE出場による過密日程は下振れ要因ですが、昨年の戦いを取り戻せばもっと上に行けるはずです。
13位 横浜F・マリノス
再建途上。百年構想リーグは13位で、プレーオフ第2戦では清水に3-0と意地を見せました。渡辺皓太の神戸移籍は中盤の計算を狂わせる流出です。伝統あるクラブの底力に期待しつつ、現実的にはこのあたりかと。
14位 清水エスパルス
百年構想リーグ14位。モデル評価も同水準で、大きな上振れ・下振れ要素が見当たりません。残留争いに巻き込まれない安定感をどこまで出せるかがテーマになります。
残留争い(15位〜20位)
15位 京都サンガF.C.
2025年3位から百年構想リーグ16位への急落は、モデルの降格圏確率16.7%という数字に直結しています。ランコ・ポポヴィッチ新監督への交代とACLE予選参戦という不確実性も重なります。個人的には、この予想が外れて上に行くシナリオも十分あると見ています。
16位 V・ファーレン長崎
8年ぶりのJ1復帰組ですが、百年構想リーグで半年間J1のチームと戦えた経験は大きい。プレーオフでは水戸との昇格組対決を制しました。スタジアムの熱量も含めて、残留ラインの上に僕は置きます。
17位 アビスパ福岡
百年構想リーグ19位と苦しみました。堅守をベースに勝点を拾うスタイルは健在のはずで、僅差のゲームをものにできれば残留圏。ただ、得点力不足という積年の課題が解消された形跡は見えません。
18位 東京ヴェルディ
ここからが降格圏の予想です。モデルの降格圏確率は51.4%。この夏は加入4人に対して退団10人と、戦力の純流出が目立ちます。2025年に見せた組織力で耐える展開が続くと思いますが、38節の消耗戦でスカッドの薄さが露呈するリスクを重く見ました。
19位 ジェフユナイテッド千葉
17年ぶりのJ1復帰。ただ、百年構想リーグは最下位の20位と、J1レベルとの差を突きつけられました。モデルの降格圏確率は80.2%。フクダ電子アリーナの後押しでどこまで抗えるか。
20位 水戸ホーリーホック
2025年J2優勝でクラブ史上初のJ1昇格を果たしましたが、百年構想リーグは18位、モデルの降格圏確率は95.0%と最も厳しい数字です。夏の移籍市場では15人を補強し、広島から仙波大志も加わりました。数字を覆すだけの一体感を作れるか。挑戦者の1年になります。
5. 広島を2位に置いた理由
最後に、サンフレッチェ広島の話をもう少しだけ。
百年構想リーグ7位という結果だけを見れば、2位予想は強気に映るかもしれません。でも、モデルは広島を平均勝点70.7の2位と評価しました。18試合の得失点差+8はWESTグループ最良で、失点21は最少のC大阪に次ぐ2番目の少なさ(神戸・清水と並ぶタイ)。順位表の見た目より、内容の数字はずっと良かったのです。
そこにアレーと浅野拓磨が加わり、ACLのない一本道の日程が待っている。ガウル監督にとっては、実質的な「1年目のフルシーズン」を最高の条件でスタートできる状況です。だから僕は、モデルの評価をそのまま信じることにしました。
もちろん、1位の神戸を倒してその先へ──という気持ちは、言うまでもありません。
6. まとめ──答え合わせは毎節、やります
26-27シーズンの僕の予想をまとめます。
1. 神戸/2. 広島/3. 鹿島/4. C大阪/5. 川崎/6. FC東京/7. G大阪/8. 名古屋/9. 町田/10. 岡山/11. 浦和/12. 柏/13. 横浜FM/14. 清水/15. 京都/16. 長崎/17. 福岡/18. 東京V/19. 千葉/20. 水戸
この予想、書きっぱなしにはしません。毎節のtoto予想・答え合わせ記事の中で、この順位予想と実際の順位表を突き合わせていきます。モデルの読みがどこで当たり、どこで外れるのか。それを毎週観察してモデルにフィードバックすることが、toto予測の精度を上げる一番の近道だと思っているからです。ウィンターブレーク(第20節終了時)には中間総括も出します。
なお、今節・開幕節のtoto予想はこちらの記事にまとめています。
→ 第1644回toto予想|PK戦なき新シーズン開幕──Dixon-Colesモデルを「v3」に再調整して全13試合を読む
まずは明日8月8日(土)、エディオンピースウイング広島での開幕戦・千葉戦を全力で楽しみましょう。
新しいJリーグの始まりです。
🎫 開幕節のtotoを買うなら
▶ 楽天totoで購入する
🔻 26-27シーズンのJリーグ全試合を観るなら
▶ DAZNで観る
出典・参考
- Jリーグ公式サイト「明治安田J1百年構想リーグ 順位表・大会概要」
- Jリーグ公式サイト「2026/27シーズン 明治安田Jリーグ 大会方式」
- サンフレッチェ広島公式サイト「セバスティアン・アレー選手 FCユトレヒトより完全移籍加入のお知らせ」(2026年7月6日)
- サンフレッチェ広島公式サイト「浅野拓磨選手 RCDマジョルカより完全移籍加入のお知らせ」(2026年6月28日)
- サンフレッチェ広島公式サイト「中村草太選手 ル・アーヴルAC(フランス)に期限付き移籍のお知らせ」(2026年7月17日)
- サンフレッチェ広島公式サイト「バルトシュ・ガウル監督 就任のお知らせ」(2025年12月15日)
- 各クラブ公式リリース(監督人事・移籍情報)
- FootyBase「Jリーグ 移籍情報 2026-27」(加入・退団人数の集計)
- モバJ「2025年J1リーグ順位表」「2026年J1百年構想リーグ順位表」
- 予測モデル:Dixon-Coles v3(自作。百年構想リーグ198試合で学習、10,000回モンテカルロシミュレーション)
