第8節が終わった今なら、もう予想していい頃だと思うんです
2026/27シーズンのJ1は、第8節を終えて、リーグ戦は10月9日まで中断に入りました。20チームが8試合ずつ。全38試合のうち、5分の1が終わったところです。
9月26日の時点で、最終順位を1位から20位まで予想する。
早すぎる、と言われそうですよね。でも、8試合あれば、どのチームがどれくらい点を取って、どれくらい取られるかは、それなりに見えてきます。それに、外れたら外れたで、シーズンが終わったときに答え合わせをすれば記事がもう一本書けます(小声)。
というわけで、やってみます。
もちろん基本、エンタメとしてやっています。個別のクラブをディスる意図はございませんので、ご容赦ください。
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予想のやり方を先に書いておきます。順位表を眺めて決めたわけではないので
このブログでは毎週、totoの予想に統計モデル(Dixon-Colesモデル)を使っています。今回もそれです。
やり方はこうです。
- 今年2月からの百年構想リーグと、今季第1〜8節の合計278試合の結果から、20チームそれぞれの攻撃力と守備力を出す
- 残っている300試合を、1試合ずつ「ホーム勝ち・引き分け・アウェイ勝ち」の確率にする
- その確率どおりにサイコロを振って、シーズンの残りを最後まで進める。これを2万回やる
- 2万回の結果から、各チームの期待勝点、優勝する確率、降格する確率を数える
つまり、この記事の順位は「2万通りのシーズンの平均」です。
サイコロを2万回。パソコンなので、一瞬です(手で振ったら、たぶん一生かかる)。
そしてもう一つ。今回はここに、ACLに出るクラブのハンディを入れました。
ACLに出ると、どれくらい勝点を落とすのか。過去5年を調べてみました
今季のACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)には、Jリーグから史上最多の5クラブが出ています。鹿島、神戸、柏、京都、G大阪。ACL2には町田です。
ACLEはリーグステージだけで8試合。9月15日に始まって、来年2月17日まで続きます。火曜か水曜にアジア、土曜にJ1という週が、この先何度も来る。鹿島、神戸、京都はタイやベトナムへの遠征が3回ずつ。柏とG大阪はオーストラリアまで行きます。勝ち上がれば3月にラウンド16、4月末から決勝ラウンドです。
ブリーラム、という地名、聞き慣れないですよね。タイの東北部で、地図で見るとバンコクよりカンボジアの国境のほうが近い。そこへ火曜に行って、土曜には日本でJ1。ちょっと想像するだけで、膝が痛くなってきます。
で、本題です。
これ、リーグ戦にどれくらい響くんでしょうか。
2021年から2025年までのJ1で、ACL(ACLE、ACL2を含む)の試合をこなしながらリーグ戦を戦ったクラブが21件あります。それぞれ、前の年と比べて1試合あたりの勝点がどう変わったかを並べてみました。
21件のうち17件がマイナス。 平均で1試合あたり−0.22勝点です。
いちばん落ちたのは2021年のG大阪(1試合1.91→1.16)と、2022年の神戸(1.92→1.18)。2024年の横浜FMは、ACLの決勝まで行った年に1.88から1.37まで落ちています。逆に上がった例もあって、2023年の浦和はACLで優勝した年に、1.32から1.68に上がりました。ばらつきは大きいです。
ただ、ここには「前の年に上位だったクラブは、次の年に下がりやすい」という当たり前の効果も混ざっています。そこでACLに出なかった前年上位クラブを10件、同じように見ると、平均は−0.05でした。
差し引きで、ACLに出たクラブは、同じくらいの力のクラブより1試合あたり0.17勝点くらい落としている。 残り30試合なら5勝点ぶんです。今回のシミュレーションでは、ACLEの5クラブにこのぶんのハンディをかけました。町田のACL2は例が2件しかないので、半分にしています。
(今季は秋春制になって、ACLEとJ1の暦がぴったり重なりました。過去の暦年ベースの数字より、負担は重いかもしれません。そこは数字にできなかったので、頭の片隅に置いておいてください)
で、これが予想順位です。1位から20位まで
| 順位 | チーム | 期待勝点 | 優勝 | 3位以内 | 降格 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 広島 | 78.9 | 63.1% | 92.0% | — |
| 2 | 町田 | 70.6 | 12.6% | 56.9% | — |
| 3 | FC東京 | 70.7 | 12.7% | 56.6% | — |
| 4 | 神戸 | 67.6 | 5.8% | 36.8% | — |
| 5 | 横浜FM | 65.8 | 3.8% | 28.4% | — |
| 6 | 浦和 | 59.4 | 0.5% | 7.3% | — |
| 7 | 鹿島 | 58.7 | 0.4% | 5.8% | 0.1% |
| 8 | 川崎F | 58.5 | 0.4% | 6.2% | 0.1% |
| 9 | 柏 | 57.8 | 0.3% | 4.6% | 0.1% |
| 10 | 岡山 | 56.3 | 0.2% | 3.1% | 0.2% |
| 11 | C大阪 | 55.3 | 0.1% | 2.2% | 0.3% |
| 12 | 名古屋 | 47.1 | — | 0.1% | 4.7% |
| 13 | 清水 | 45.2 | — | — | 6.6% |
| 14 | 水戸 | 42.9 | — | — | 12.2% |
| 15 | 長崎 | 42.1 | — | — | 15.4% |
| 16 | 福岡 | 38.8 | — | — | 28.3% |
| 17 | G大阪 | 38.2 | — | — | 32.7% |
| 18 | 京都 | 34.5 | — | — | 57.0% |
| 19 | 東京V | 32.1 | — | — | 69.7% |
| 20 | 千葉 | 31.8 | — | — | 72.7% |
※順位は「期待順位」(2万回の平均)の順。町田とFC東京は期待勝点ではFC東京が上ですが、期待順位では町田がわずかに上です。「—」は0.05%未満。
……はい。広島が1位です。しかも優勝確率63%。
言い切っちゃいました。広島のブログが広島を1位にしているわけで、ひいきに見えて当然だと思います。でも、これはモデルが出した数字で、僕が手で動かしたものではありません。なんで広島がこんな数字になるのか、そこから書きます。
広島が1位になった理由。運の上振れが、ほとんど入っていないんです
第8節終了時点で、広島は勝点17の3位。首位の神戸とは勝点2差です。順位表だけ見れば、まだ団子の中にいます。
でもゴール期待値(xG)で見ると、景色が変わります。
Football LABの数字(9月21日更新)で、広島の1試合あたりのゴール期待値は2.522。J1で1位です。2位の川崎と鹿島が1.780なので、かなり離れています。被ゴール期待値は0.703。これもJ1で1位で、2位の岡山が0.935。
つまり、作った場面の質でも、相手に作らせた場面の質でも、リーグで一番。
そして実際の得点は1試合2.50、失点は0.63(Football LABの集計。オウンゴールは含みません)。期待値との差は、攻撃が−0.02、守備が−0.07。ほぼゼロです。
これ、大事なところなんですよね。第8節までの広島の成績には、運の上振れがほとんど入っていない。作った場面の質どおりに点を取り、打たせた場面の質どおりに失点している。だからモデルは、この先も同じくらいの内容が続くと見て、勝点をどんどん積んでいくんです。
このブログで「xG差」と呼んでいる数字(ゴール期待値から被ゴール期待値を引いた、内容の得失点差)は、広島が+1.819。2位のFC東京が+0.635なので、3倍近い差があります。
内容がここまで抜けていれば、2万回のうち6割で優勝する、という数字も、まあ、そうなるよなあ、と。
……いや、8試合ですからね。8試合。浮かれてはいけない。
首位の神戸は4位。ハンディをかける前は2位でした
順位表で首位の神戸が、予想では4位です。
これには二つの理由があります。
一つ目は、さっき書いたのと逆のこと。神戸の失点は8試合で5と、リーグ最少です。ところが被ゴール期待値は1試合1.165で、柏と並んでJ1で5番目。実際の失点は期待値より1試合あたり0.535少ない。これは20チームの中でいちばん大きな「守備の上振れ」です。GKが止めているのか、相手が外してくれているのか。どちらにしても、この上振れが38試合ずっと続くとは、モデルは考えません。
二つ目がACLのハンディです。ハンディをかける前の神戸は2位で、優勝確率は21.1%ありました。ハンディをかけると4位、5.8%まで落ちます。
神戸は2022年、ACLに出た年にリーグで13位まで落ちたことがあります(前の年は3位)。翌年から2年連続で優勝したので、今の神戸にその心配はない、と言われればそのとおりなんですが。
鹿島、柏、京都、G大阪。ACLEに出る5クラブは、全部順位を落としました
ハンディをかける前と後で、順位がどう動いたか。
- 神戸:2位→4位
- 鹿島:5位→7位
- 柏:7位→9位
- G大阪:13位→17位
- 京都:17位→18位
昨季の優勝クラブの鹿島が7位、2位の柏が9位。ずいぶん低く見えますよね。
鹿島は8試合で17得点も取っていますが、失点も16。被ゴール期待値1.270に対して実際の失点は1試合2.00で、これは取られすぎ(+0.73)の側です。柏も似ていて、被ゴール期待値1.165に対して失点1.50。順位表の2位は、ゴール期待値ほど強くはない。そこにACLの負担が乗ります。
ここは僕も、モデルの数字を見て「そこまでか」とは思いました。鹿島と柏には、昨季38試合で証明した地力がある。モデルはそれを知りません(後述します)。
降格の3枠。千葉、東京V、そして京都
降格の条項を見てみましょう。
千葉は8試合で7得点18失点。東京Vは4得点12失点で、ゴール期待値も0.866とリーグ最低です。この2チームの降格確率は7割前後。ここは、順位表を見ても同じ判断になると思います。
問題は3つ目の枠です。モデルは京都を18位、降格確率57%と見ています。
京都は昨季のJ1で3位。だから今季、ACLEに出場しています。その京都が、降格候補に入る。
理由は数字です。今季の京都は8試合で勝点8、被ゴール期待値1.731はリーグで下から3番目。ゴール期待値1.037は下から4番目。今季に限れば、内容は下位のチームのものです。そこにACLEの遠征(大田、ハノイ、ブリーラム、バンコク)が乗る。
G大阪も同じ構図です。ACL2で優勝して、プレーオフを勝ち抜いてACLEに出ている。でも今季はここまで8試合で勝点6、16位。被ゴール期待値1.795はリーグで下から2番目。
正直に言うと、この二つのクラブが本当に降格するかどうかは、僕には分かりません。分かっているのは、今季の8試合の内容とACLの負担を素直に足し算すると、こうなる、ということです。
このモデルの弱点を、二つ書いておきます
一つ目。モデルは、昨季の成績を見ていません。
学習に使っているのは、今年2月からの百年構想リーグと、今季の8試合だけです。鹿島が昨季優勝したことも、京都が3位だったことも、モデルは知らない。だから、昨季の地力が今季の8試合に出ていないクラブは、実際より低く出ます。京都の降格57%は、この弱点がいちばん強く出ている数字だと思ってください。
二つ目。ACLのハンディは、残りの全試合に同じ大きさでかけています。
本当は、ACLEの試合がある週とない週で負担は違うし、リーグステージで敗退すれば2月で終わります。そこまで細かくは作っていません。「5クラブは平均してこれくらい落とす」という、粗い置き方です。
前例を一つ。2025年は、折り返しの順位と最終順位がどれくらい違ったか
去年(2025年)のJ1は、第5節までは毎節首位が入れ替わる展開でした。鹿島が首位に立ったのは第13節から。折り返しの時点で鹿島、京都、浦和、柏、広島の順で、最下位は横浜FMでした。
最終順位は、鹿島、柏、京都、広島、神戸、町田。上位の顔ぶれは、折り返し時点とほぼ同じです。最下位だった横浜FMは15位で残留しました。
つまり、去年の例では「上位はある程度読めるけれど、下位はひっくり返る」。今回の予想も、上のほうより下のほうが、外れやすいと思って読んでください。
さて、シーズンが終わったら答え合わせをします
もう一度、上位だけ並べます。
1位 広島、2位 町田、3位 FC東京、4位 神戸、5位 横浜FM。
町田はゴール期待値1.603に対して得点2.63と、リーグでいちばん「決めすぎている」チームです。この上振れが縮んだとき、どこまで踏ん張れるか。FC東京はxG差+0.635で内容2位。派手さはないけれど、モデルは信用しています。
そして広島。優勝確率63%。
この数字が出た日に、たまたまアレーがけがで離脱中です。戻ってきたら、この数字はもう少し上がるのかもしれないし、戻ってこなくても数字はこのままなのかもしれない。
シーズンが終わったときにこの表を見返すのが、ちょっと怖くて、ちょっと楽しみです。
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参考・出典
- Jリーグ公式サイト「明治安田J1リーグ 順位表」(2026年9月20日 第8節終了時点)
- Football LAB「リーグサマリー:2026/27 J1 ゴール期待値」(https://www.football-lab.jp/summary/team_ranking/j1?year=2026&data=expected)※2026年9月21日更新
- Jリーグ公式「AFCチャンピオンズリーグElite 2026/27 リーグステージ マッチスケジュールが決定」(https://www.jleague.jp/news/article/34676/)
- Goal.com「ACLエリート2026-27開幕はいつ?Jリーグ出場チームの日程・放送予定」(2026年9月14日)
- ゲキサカ「ACLE&ACL2のマッチスケジュールが決定!! ACLEには日本勢から史上最多5クラブが出場」(2026年8月19日)
- Wikipedia(英語版)「2020 in Japanese football」「2021 in Japanese football」「2022 J1 League」「2023 J1 League」「2024 J1 League」「2025 J1 League」の順位表(出典はJリーグ公式・Jリーグデータサイト)※ACL出場クラブの前年比較に使用
- Wikipedia(日本語版)「2025年のJ1リーグ」※2025年の順位推移
- 当ブログのtoto予想モデル(Dixon-Colesモデル v3.7の式を使用)
