2026年5月3日
2連敗。荒れる空気。
5月2日、JFE晴れの国スタジアム。ファジアーノ岡山にサンフレッチェ広島が0-1で敗れました。
83分、レオ・ガウショのヘディング。たった1発で試合を決められました。しかも完全に崩されて。
これで福岡戦(2-2からPK負け)に続き、2試合連続で勝てていません。
| 岡山 | 広島 | |
|---|---|---|
| スコア | 1 | 0 |
| シュート | 12 | 10 |
| 枠内シュート | 5 | 4 |
| ボール支配率 | 46% | 54% |
| FK | 10 | 20 |
支配率54%で負けました。シュート10本打って、1本も入りませんでした。前半はバイタルエリアでボールを奪われる場面が目立ち、デュエルで後手に回りました。
ガウル監督自身も「前半は立ち上がりのデュエルで闘うことができなかった」と認めています。
「ガウル監督には退任してもらった方がいいのではないか」という声
SNSを見れば、厳しい声が溢れています。
「選手に合わないポゼッションをやらせている」「ゾーンディフェンスに変えて失点まみれ」「降格を心配しないといけないレベル」──。
気持ちはわかります。
勝ってほしいんです。強いサンフレッチェ広島が見たいんです。2-0でリードした福岡戦をPK負けで落とし、中国ダービーの岡山戦で完封負け。フラストレーションが溜まるのは当然です。
でも、ここで一つ、立ち止まって考えてほしいことがあります。
ガウル監督は今、何をしているのか
ガウル監督は「もっと勝てるサンフレッチェ広島」を作ろうとしています。
ポゼッションの質を上げる。ゾーンディフェンスの精度を高める。チーム全体の戦術的なインテリジェンスを底上げする。それは一朝一夕にはできないことです。
連敗が続いていた3月の清水戦後、ガウル監督は選手たちに「前を向き、自分たちのやるべきことにフォーカスしてやっていこう」と伝えたそうです。
岡山戦後も、「後半はしっかりと闘う姿勢を見せて多くのチャンスを作った」と語っています。前半の課題を認めながらも、後半に修正し、チャンスを作った事実を見ている。ガウル監督は何も見えていないわけじゃないんです。
選手たちも同じです。後半に修正して押し返した。チャンスを作った。結果が出なかっただけで、監督の指示に必死で応えようとしています。
サポーターって、何のためにいるんだろう?
ここで改めて問いたいんです。
サポーターって、何のためにいるんですか?
勝った時に喜んで、負けた時に監督を批判する。それってサポーターですか? それ、評論家ですよね。
──と言うと、評論家の人に失礼ですね。すみません。でも、評論家になりたい人はなっていいんです。ただ、一つだけ言わせてください。
どんなに辛辣な評論をしても、ガウル監督の方がよっぽど考えています。
毎日選手と向き合い、映像を分析し、トレーニングメニューを組み、試合のたびに修正を重ねている人と、90分間の試合結果だけを見て「ダメだ」と言っている人。どちらが深く考えているかは明らかです。
今は「メタモルフォーゼ」の期間です
信じるか信じないか、という話じゃないんです。
サンフレッチェ広島は今、メタモルフォーゼの期間に入っています。
スキッベ前監督のチームから、ガウル監督のチームへ。戦い方が変わる。守り方が変わる。ボールの動かし方が変わる。その過渡期には、どうしても結果が伴わない時期が来ます。
それは「弱くなった」のではなく、もっと強くなるために必要なプロセスです。
蝶がサナギの中で一度ドロドロに溶けるように、チームも一度形を崩してから新しい形に生まれ変わる。その途中の苦しみを、「ダメだ」と切り捨てるのか。それとも、力強く見守るのか。
僕は後者でありたいと思っています。
実はこの岡山戦のパブリックビューイングのハーフタイムで、元サンフレッチェの中島浩司さんがこう語ったそうです。
「監督交代の時って難しくて、停滞や勝てない時期って必ず訪れるんです。そんな時期にこのサッカーは向いてないとかこの選手や監督はもうクビだとか結論を急いで楽な方に行こうとするような、そんな成長や進化の無いサッカー見てて、皆さん面白いですか? 停滞してたチームや選手が一気に開花する瞬間が見れるのってとても見てて楽しいと思うんですが。今はそういう時期だと思って、期待して応援しましょう。」
(出典:ケン🟪サンフレサポ勉強中さんのXポストより、中島浩司さんの発言を引用)
まさに僕が言いたかったことを、チームを知り尽くしたOBが言ってくれています。
選手が「ここでプレーしたい」と思えるクラブであること
サポーターにできることは、実はとてもシンプルです。
選手たちが「サンフレッチェ広島でプレーできて幸せだ」と感じられる環境を作ること。
これがすべてです。
選手たちは毎日練習しています。ガウル監督のもとで、なかなか結果が出なくても、歯を食いしばって頑張っています。新しい戦術を体に染み込ませようと、必死でトレーニングしています。
そのとき、サポーターの声援が力になっているか。「ここで練習して、ここで戦うことが、自分のサッカー人生にとって素晴らしい経験だ」と選手たちに感じてもらえているか。
それこそが、優秀な選手がサンフレッチェ広島に来たいと思い、ここで成長したいと思い、ここで戦い続けたいと思える理由になるんです。
逆に、負けるたびにブーイングが飛び、監督の解任を叫ぶようなクラブに、誰が来たいと思いますか?
短絡的になることの危険性
もう一度提言させてください。
「今の監督はダメだ」「勝てないから見切った方がいい」——そんな近視眼的なことを言うよりも、今チャレンジしていることをじっくり見つめてほしいんです。
選手たちを信じてほしいんです。
2試合連続で勝てないのは苦しい。でも、サンフレッチェ広島はまだ勝ち点20で4位にいます。シーズンはまだ続きます。ガウル監督が描いているサッカーが完成した時、今の苦しみが「あの時があったから」に変わるかもしれない。
焦らない。騒がない。力強く、見守る。
それが、サポーターにしかできないことだと僕は思います。
森﨑浩司さんの視点
中国新聞の森﨑浩司さんは岡山戦についてこう書いています。
「圧力は分かっていたのに…完全に勢いに飲まれた」
厳しい指摘ですが、的確です。岡山のプレスに対する準備はしていたはずなのに、前半はそれを上回る岡山の勢いに飲まれてしまった。
でも、後半は違いました。修正して、チャンスを作った。VARでPKが認められなかった場面もありました。「何もできなかった90分」ではなかったんです。
最後に
サンフレッチェ広島のサポーターにとって、サンフレッチェ広島は常に強いクラブであってほしい。素晴らしい選手がいてほしい。
その気持ちは、全員同じです。
だからこそ、選手たちがこのクラブで練習し、戦い、自分のサッカー選手としての力が上がっていくこと。それを喜びとして感じてもらうこと。そういう環境を、サポーターの力で作ること。
それが僕らにできる、最も大切なことだと思います。
ガウルを信じるか信じないかじゃない。サンフレッチェ広島という場所を、選手が誇れる場所にするかどうか。その答えは、僕らサポーター一人ひとりの中にあります。
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