J1百年構想リーグ WEST第11節|2026年4月18日(土)14:00キックオフ
エディオンピースウイング広島|広島 2-0 長崎
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試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| スコア | サンフレッチェ広島 2-0 V・ファーレン長崎 |
| 得点 | 前半10分 鈴木章斗(広島)/後半7分 加藤陸次樹(広島) |
| 退場 | 後半45+2分 ディエゴ・ピトゥカ(長崎・2枚目の警告) |
| 会場 | エディオンピースウイング広島 |
| 解説 | 山瀬功治 |
スタッツ
| 指標 | 広島 | 長崎 |
|---|---|---|
| シュート | 23 | 8 |
| 枠内シュート | 17 | 5 |
| xG(ゴール期待値) | 2.74 | 0.67 |
| ボール支配率 | 59% | 41% |
| パス(成功率) | 540(78%) | 334(72%) |
| CK | 6 | 1 |
| ファウル | 5 | 13 |
| 警告/退場 | 0/0 | 3/1 |
| ボール奪取回数 | 55 | 51 |
※スタッツはDAZN表示値。枠内シュートの定義はソースにより異なります(スポーツナビでは広島9/長崎1)。
試合展開
前半——鈴木章斗の先制弾、広島が主導権を握る
開始から広島がボールを支配しました。塩谷司が最終ラインからビルドアップの起点となり、川辺駿がポジションを変えながらボールを引き出します。右サイドの新井直人が高い位置を取り、長崎の守備陣を押し込んでいきました。
前半10分、鈴木章斗が先制ゴール。 これで公式戦5得点目です。エースの仕事ですね。
その後も広島はチャンスを作り続けました。鈴木と川辺のワンツーからの崩し、塩谷の縦パスからの展開。決定機は複数ありました。ただし、2点目が取れません。前節清水戦のxG3.46で1-1だった「決め切れない広島」がまた顔を覗かせました。
長崎は前半29分にディエゴ・ピトゥカがイエローカードを受けるなど、広島の攻撃を止めるのにファウルが嵩みました。前半30分には照山颯人が負傷交代を余儀なくされ、エドゥアルドが投入されます。前半だけで長崎は厳しい台所事情に追い込まれました。
それでも長崎は守備の強度を保ち、チアゴ・サンタナのポストプレーから長谷川がゴールに向かうシーンも。枠内にシュートを飛ばす場面もあり、完全に封じられたわけではありませんでした。山口蛍が中盤でチームを鼓舞し続けていました。
前半終了、1-0。 広島リードも、まだ1点差です。
後半——加藤陸次樹の追加点、そして90分の勝利
後半に入っても広島の攻勢は続きました。
後半7分(52分)、加藤陸次樹が2点目。 鈴木章斗のアシストから決めました。鈴木はこの試合、1ゴール1アシストです。得点もチャンスメイクもできる。山瀬功治氏が解説で「自身がゴールゲッターとして得点も取れ、チャンスメーカーにもなれる。まさに現代フットボールらしいストライカー」と評したのも頷けます。
2-0になったことで、広島は落ち着いて試合をコントロールできました。61分に東俊希→中野就斗、トルガイ・アルスラン→木下康介と2枚替え。75分には加藤陸次樹→中島洋太朗、鈴木章斗→中村草太と2枚替え。さらに87分に川辺駿→山崎大地。5枚の交代カードをすべて使い切り、主力の消耗を抑えました。
長崎も反撃を試みます。66分に岩崎悠人→ノーマン・キャンベル、翁長聖→笠柳翼と2枚替え。さらに75分にはチアゴ・サンタナ→マテウス・ジェズス、長谷川元希→山崎凌吾と2枚替え。しかし流れは変わりませんでした。
80分には進藤亮佑がプレー続行不可能となりピッチを退きましたが、長崎はすでに交代枠を使い切っていたため、10人での戦いを強いられます。そして後半45+2分、ディエゴ・ピトゥカが中島洋太朗への後方からのスライディングタックルで2枚目のイエローカードを受けて退場。最終的に長崎は9人になりました。
試合終了、広島 2-0 長崎。
第6節G大阪戦(3月14日)以来、実に35日ぶりの90分勝利です。
分析——データが証明した「正しいサッカー」
xG 2.74 vs 0.67——これが実力差
この試合のxGは広島2.74、長崎0.67です。その差は約4倍。プレビューで書いたシーズン平均xGの差(広島1.734 vs 長崎0.993、約1.7倍)をはるかに上回る、一方的な試合でした。
そして今回、広島はxG2.74に対して実得点2。前節清水戦のxG3.46で1得点という悲惨な決定力からは大きく改善しました。「xGと実得点の乖離は長期的に修正される」——プレビューでそう書きましたが、まさに「揺り戻し」が来た試合でした。
シュート23本——攻撃力は本物
シュート23本は圧巻の数字です。個人別で見ると:
| 選手 | シュート | ポジション |
|---|---|---|
| 新井直人 | 5 | DF(WB) |
| トルガイ・アルスラン | 3 | MF |
| 鈴木章斗 | 3 | FW |
| 山崎大地 | 3 | DF |
| 加藤陸次樹 | 2 | FW |
| 中村草太 | 2 | FW |
| 荒木隼人 | 1 | DF |
| 川辺駿 | 1 | MF |
| 塩谷司 | 1 | DF |
※DAZN個人スタッツ表示分。長崎はチアゴ・サンタナの2本のみ表示。
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新井直人の5シュートが目を引きます。 ウイングバックの位置から積極的にゴールを狙い、長崎の守備陣を翻弄しました。解説の山瀬氏も「立ち位置をいろいろと工夫しながら、相手にとって嫌な立ち位置を取りながらシュートにまでつなげる。ウイングバックの選手がこれができると強い」と絶賛していました。
右サイド42%——攻撃の偏り
広島のアタッキングサイドは左26%・中央32%・右42%です。右サイドに攻撃が偏っています。新井直人の5シュートがそれを裏付けています。この右サイドからの崩しが広島の攻撃の生命線になっていました。
一方、長崎は左35%・中央36%・右29%とほぼ均等です。中央の36%が最多なのは、チアゴ・サンタナのポストプレーからの攻撃を軸にしていたことの表れでしょう。
塩谷司77パス——すべての始まり
パス数ランキングを見ると:
| 選手 | パス数 | ポジション |
|---|---|---|
| 塩谷司 | 77 | DF |
| 川辺駿 | 72 | MF |
| 荒木隼人 | 61 | DF |
| 佐々木翔 | 52 | DF |
| 松本泰志 | 52 | MF |
塩谷が77パスでチーム最多です。実況でも「攻撃を紐解くとスタートは塩谷というシーンが多い」と語られた通り、3バックの一角から試合を決定づけるパスを送り続けました。山瀬氏の評価は「スリーバックの選手はビルドアップの配球が増えるが、塩谷選手の場合はそこから試合を決めるような決定的なパスを出せる。これはチームとして一つの武器」。CBがチーム最多パスでかつ攻撃を直接仕掛けられるのは、ガウル監督のサッカーの特徴そのものです。
守備——無失点だが課題は残る
結果は2-0の完封勝利です。でも、手放しで喜べるかというと、そうでもありません。
長崎にも枠内シュートを許す場面がありました。チアゴ・サンタナがミドルゾーンで起点を作り、長谷川がゴールに向かっていくシーンでは、川辺のカバーリングがなければ危なかったです。長崎が前半の早い時間帯にカードトラブルで苦しみ、さらに80分に進藤が負傷離脱して10人、最終的にピトゥカの退場で9人になったことで、後半は攻撃のギアを上げきれなかった面もあります。
長崎の山口蛍は走行距離11km超え。ベテランの意地を見せましたが、チーム全体としてはシュート8本、xG0.67にとどまりました。これは広島の守備が良かったのか、長崎の攻撃力の限界なのか。正直に言えば、後者の要素が大きいと思います。
xGリーグ2位の攻撃力でWESTの上位を目指すなら、守備の安定感はもう一段必要です。今日は勝ったから良いものの、相手がもっと質の高い攻撃を仕掛けてきたときに、この守備で凌げるかどうか。そこが次の課題になります。
鈴木章斗——エースの資格
この試合のMVPは鈴木章斗でしょう。
1ゴール1アシスト。公式戦5得点。得点者としてもチャンスメーカーとしても機能する万能型ストライカーです。
面白いのは、鈴木のバックグラウンドです。解説の山瀬氏が明かしたところによると、ガンバ大阪のジュニアユース時代は控えで、サイドバックをやっていたそうです。「キッズフットボーラーにとっては希望の光。どこで伸びるかわからない」と山瀬氏は語りました。
ジュニアユースでは控えのサイドバック。それが今、J1百年構想リーグで背番号10を背負い、チームのエースとしてゴールとアシストを量産しています。サッカーの醍醐味は、こういう成長物語にあると思います。
決定力不足に苦しんできた広島にとって、鈴木章斗という「解答」が見えつつあります。この調子を維持できれば、広島の攻撃は本当に恐ろしいものになります。
今西和男さんに捧ぐ勝利
この試合の2日前、4月16日に今西和男さんが亡くなりました。85歳でした。
サンフレッチェ広島の初代総監督にしてゼネラルマネージャー。「サッカー選手である前に、良き社会人であれ」という哲学でサンフレッチェのDNAを作った人です。森保一を発掘し、風間八宏を獲得し、高木琢也を育てました。日本の「元祖GM」です。
そして、この試合の対戦相手・長崎の監督が、その高木琢也でした。今西さんが育てた男と、今西さんが作ったクラブの対戦。運命的なめぐり合わせでした。
エディオンピースウイング広島での90分の勝利。でも、今西さんが見ていたのは、きっとスコアだけではないと思います。
広島と長崎——世界でたった二つの被爆地のクラブが、「ピース」の名を冠したスタジアムで素晴らしい試合をしたこと。今西さんが育てた高木琢也が長崎の監督として堂々と戦い、今西さんが作ったサンフレッチェが正々堂々と勝ったこと。Jリーグがここまで進歩し、こういう試合ができるようになったこと。
今西さんの目線の先には、常にサッカーの向こう側にある「人として」「社会人として」の姿がありました。サンフレッチェが素晴らしいクラブであること、この長崎との一戦がピースマッチと呼ぶにふさわしい好ゲームだったこと。きっと喜んでくださっていると思います。そして、「もっと頑張れ」と励ましてくださっているはずです。
まとめ
広島 2-0 長崎。 プレビューで予想したスコアそのままの完勝でした。
第6節G大阪戦(3月14日)以来、35日ぶりの90分勝利です。xG2.74、シュート23本、支配率59%。攻撃面では文句のつけようがない試合でした。
鈴木章斗の1ゴール1アシスト、塩谷司の77パスによるビルドアップ、新井直人の右サイドからの5シュート。ガウル監督のサッカーが「チャンスを作る」だけでなく、「チャンスを決める」段階に進化した一戦でした。
守備にはまだ課題が残ります。でも、それは次の試合に向けての宿題です。今日はまず、この90分の勝利を喜びましょう。
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